CATFISH RECORDS

Alfa Music(Alfa Projects)やChallengeよりの諸作に好評を得てきた、イタリアの実力派女性歌手：パティ・ロムーショのアルバム第4作となる本盤は、過去盤でも組んだピーター・ワシントン(b)＆ヴィンセント・ハーリング(as)とのトリオを基本とした(2曲でジャンルカ・レンツィ-bとのデュオに変わる)一編。澄みきったクリーンな透明感や清涼さを湛え、同時にしなやかで中々強靭な伸張力を備える、トーン高めで程好い厚みを呈したクール・ヴォイスが、詩の情緒とメロディーの美を何より大切にしながらジャズ・ヴォーカルならではのアクティヴィティ溢れるグルーヴやブルージーな吟醸感も巧まずその発声そのものに仕込まれた風な、転回としてスキャット技なども一部織り交ぜるが基本はあくまでリリカル指向の、マイルド・テンダーでいてダイナミックでもある躍動感充分のエモーショナル演唱を切実さをもって軽快に綴って何とも粋な華を成し、ゆったり構えていつつ賑々しい饒舌さを感じさせるヘヴィーな肉太ベースや、アーシーなブルース・テイストとパーカー的バップ色に満ちたアルト、らの確固としたブレない活躍もコク深く際立った、全体を通じ和気あいあいにして動きの烈しさある歌世界をスリリングかつ感動的に愉しませる中身の濃い充実内容。インティメイトな空気感が底流する寛いだムードを醸しながら、録音・整音の上ではベース&アルトが主役のヴォーカルと対等に結構大音量で捉えられていることもあって、スロー・テンポの場面でさえ三つ巴の迫真力やアクション性がしっかり浮かび上がる、ロマンティックでラウンジ的リラクゼーションに富む一方生々しいスリルと歯応えある流れが創出されており、そうした中でロムーショ(vo)のじっくり腰を据えて全身全霊で伸びやかに情趣を活写する感じの歌い回し〜語り口の妙がドラマティック&グルーヴィーに冴え渡っていて爽快だ。→終始堂々として揺るぎなくこなれたジャズ・ヴォーカルの真髄を見せるその、ピーンと背筋の伸びた凛々しさを先ずは身上とする反面わりかしチャーミングな愛嬌っぽさやメロウな優しさを垣間見せるところもある、バランス絶妙で何げに包容力豊かな歌声(ストーリーテラーたる側面も覗く)のあり様は素敵の極み。雄弁でスピリチュアルな殊の外芸の細かいワシントン(b)や、ダウン・トゥ・アース&ソウルフルなイナセさみなぎるハーリング(as)、らもそれぞれにベスト・ワーク。

1. First Song
2. Can't We Be Friends
3. You've Changed
4. Choro Pro Zé
5. Love Theme From Spartacus
6. I'll Close My Eyes
7. Tight
8. Stars (aka “Endless Stars”)
9. My Foolish Heart

Patty Lomuscio (vocal)
Vincent Herring (alto saxophone except 7, 8)
Peter Washington (double bass except 7, 8)
Gianluca Renzi (double bass on 7, 8)

2025年イタリア作品

レーベル：Alfa Music

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入荷予定時期 : 2025年9月中旬 受注締切 :2025年8月30日
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