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ホーム2025年6月REVIEWバップ&ブルースの伝統的スタイルを決して崩さない"粋渋の極み"たる陰影に富んだビタースウィートなメロディック・アクションがスッキリと冴える清新トランペット会心打! 輸入盤CD IAN CLEAVER イアン・クリーヴァー / YARN!
商品詳細
★オランダ-アムステルダムで育ち、アムステルダム音楽院とマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックに学んで、重鎮エリック・イネケ(ds)の「ジャズ・エクスプレス」に参加し腕を揮った後、アメリカへ移り住んで現在はニューヨークの主流派シーンで精力的に活動している若手トランぺッター:イアン・クリーヴァー(1996年生まれ)の、本盤はアルトサックス入りのクインテットを基本体制としての初リーダー・アルバム=オランダのレーベル:Doxからのリリース。

★シャープな破裂力や突起性と柔らかな丸みやハスキー・スモーキーな掠れ感(または吐息っぽさ)が渾然一体化した、ニュアンス濃やかで味のある音色のトランペットが、バップ・トランペットならではの鋭敏硬質なアクション・イディオムとマイルドな歌謡的フレーズをごくシンプルに掛け合わせた、溌溂にして渋い陰影にも富むビタースウィートな躍動型メロディック・プレイを流暢に綴って、清々しくも旨み〜吟醸感滲む小粋な魅力を揮い、クールで洒脱な香味漂う軽妙寛ぎアルトや、殺陣的ダイナミズム表現を根幹としつつ熱くなってもモーダルの手前に踏みとどまるファンキー・バップの化身のようなピアノ、らの活躍もトランペットとは上手くコントラストを成しながらおいしい彩りを添えた、全編徹底して"ハード・バップらしいハード・バップ"快演が歯切れよくノリノリに続いて、爽やかに胸躍らされる好演内容。

★ダイナミックで敏活な中にもインティメイトな和気あいあいムードを絶やさない、親しみやすさ抜群のテンダーなメロディーの美と安定して精緻に律動するスウィンギンなノリを変らず拠り所とした、単純明快ストレートで晴れやかな人情娯楽路線の鑑とも云うべきド真っ当ブルージー・バピッシュ演奏が、グルーヴィーかつハートウォーミングそして愉しげに一貫し、リズム・セクションの完璧なスイング感とスリルを的確に提供するさりげなく芸の細かいバックアップにガッチリ支えられ、触発されながら、クリーヴァー(tp)を筆頭とする銘々の正攻法勝負に徹したアドリブ奮戦が、ひたすら輪郭もクッキリ鮮明に旨味溢れる豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。

★クリーヴァー(tp)の、まさしくバップ&ブルースの申し子たるイキでイナセな立ち回りの妙とメロウ&ウォームな歌心を備えた、中々端正で精確なハイ・テクニックにもしっかり裏打ちされているそのテイスティー・グルーヴィー節が、芳醇でいてスッキリとした青嵐の輝きを湛えていて何より傑出しており、またJamanila(as)のレスター系のアルト化っぽい脱力したリラックス・スタイルやキャノンボール寄りのアーシー調、ちょっとコルトレーンっぽくもあるアグレッシヴめの砲撃、更にはフルートに持ち替えて優しくソフトに涼風をそよ吹かせたりと、振り幅充分のドラマティックな妙演が卓抜なるアクセントを形成、加えてアッシュ(p)の律儀一徹に伝統的バップ文体&ファンキー文体を貫き、エキサイトしてくるとマッコイになりそうになるがググッと抑制を利かせてバップ・ピアノ道に立ち返ってゆく、というスクエアー(&ストイック)な職人芸も燻し銀の妙味を放っていたりなど、ソロ・コーナーはアジな聴きどころのオンパレード。

1. Jearebear's Dance (5:18)
2. Pookie (5:27)
3. Gloria (4:27)
4. I Concentrate On You (5:52) (tp-p-b-ds quartet)
5. Marijn (6:39)
6. Yarn! (6:50)
7. Blame It On My Youth (6:24)
8. Midge (5:36)
9. Out Of The Night (5:11)

Ian Cleaver (trumpet)
Jarien Jamanila (alto saxophone on 1, 5, 6, 7, 8, 9) (flute on 2, 3)
Steve Ash (piano)
Felix Moseholm (bass)
Willie Bowman (drums)

Recorded at Van Gelder Studio,Englewood Cliffs,NJ(Usa) on January 10,2024
Recorded by Maureen Sickler
Mixed and mastered by Dave Darlington

レーベル:Dox

在庫有り
デジパック仕様輸入盤CD


バップ&ブルースの伝統的スタイルを決して崩さない"粋渋の極み"たる陰影に富んだビタースウィートなメロディック・アクションがスッキリと冴える清新トランペット会心打! 輸入盤CD IAN CLEAVER イアン・クリーヴァー / YARN![DOX 690]

販売価格: 2,650円(税込)
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商品情報
DOX

★ニューヨークのトランペッター、イアン・クリーヴァーのデビュー・アルバム。

★伝統よりも革新が優先されがちなこの世界で、先達の作品に関連性と創造性を見出す新しい音楽家の波を見るのは刺激的だ。彼らは、伝統の中に保存し、探求し、再構築する価値があることを思い出させてくれる。古いものの本質を見直すことで、私たちは何か深い新しいものを発見することができる。この旅に出るのに、ニューヨークほどふさわしい場所があるだろうか?トランペッターのイアン・クリーヴァーは、デビュー・アルバム『Yarn』を通して、こう語っている!(ニュー・アムステルダム・ジャズでのアーティスト・レジデンスのサポート)を通して、伝統と革新がいかにシームレスに絡み合うことができるかを明らかにする。

★イアン・クリーヴァーは現在、ニューヨークのジャズ・シーンで著名な人物だが、彼のルーツはオランダにしっかりと根付いている。アムステルダムで育った彼は、幼い頃から即興演奏に親しみ、16歳のときにはすでに国際的なステージで演奏していた。アムステルダム音楽院とマンハッタン音楽院で正式な訓練を受け、バスター・ウィリアムスやジョン・ファディスといった伝説的なジャズ・ミュージシャンの指導のもとで腕を磨いた。長年にわたり、クリーバーはハン・ベニンク、アック・ファン・ローエン、レジー・ワークマン、ジョージ・コールマン、ジョン・エンゲルスなど、名だたるアイコンたちとステージを共にしてきた。「Yarn!」は、イアン・クリーヴァーにとって音楽の旅というだけでなく、個人的な節目でもある。

★これまで数多くのアルバムに参加してきたイアン・クリーヴァーだが、本作は初の本格的なソロ・プロジェクトであり、自身の作曲にスポットを当てている。その結果、彼の物語を形作った人々や出来事にそれぞれ捧げられた個性的な作品集となった。「糸を紡ぐ」というフレーズにインスパイアされたこのアルバムは、これらの要素を豊かでまとまりのある物語に織り込んでいる。タイトルの『Yarn!』には幾重もの意味が込められている。それは、物語を語る芸術を想起させると同時に、編み物やかぎ針編み、あるいは織物に使われる糸にも言及している。このイメージは、多様な影響と世界中から集まったミュージシャンの並外れた才能によって複雑に形作られたタペストリーのように、音楽が徐々に展開していく様子を反映している。即興演奏、リズム、メロディーを通して、彼らはストーリーを共有し、互いや周囲の環境からインスピレーションを得て、世界と視点のダイナミックな融合を生み出す。

★イアン・クリーバーはニューヨークで、音楽が日常生活の一部であることを実感している。オランダでは音楽は特別な日のハイライトとして使われることが多いが、ニューヨークでは音楽は日常生活の中にシームレスに流れ、街の自然なリズムとなっている。この音楽との無理のない関係は、クリーバーの作品に深い影響を与え、伝統と革新の相互作用を探求しながら、この街のダイナミックなエネルギーを捉えるインスピレーションを与えている。絶え間ない活気と限りない創造性を持つニューヨークは、『ヤーン!』の豊かな音楽的対話の理想的な背景となっている。(新譜インフォより)