★日本クラウン、ユーキャン、スパイスオブライフ等よりの諸作が悉く高評価を得、円熟味も増してきた才人:守屋純子(p,arr)(1965年東京都生まれ)率いる総勢17名・強力布陣の"守屋純子オーケストラ"(結成から27年)の最新アルバム。
★ピタリと息の合ったカラフルな重層的ホーン・アンサンブルがファンファーレのように凛々しく轟き、チャカポコと転がるパーカッションの鳴動も好アクセントを成しつつ、花形たる管楽器勢のバップ・スピリットみなぎったアドリブ活躍や座長であるピアノの抑えの利いたソリッド・プレイ、等が結構細かにアンサンブルを挟みながら色彩感満点の華々しい見せ場を繋いでゆく、モダン・ビッグ・バンドの正統らしいブルース&バップの色合いも濃いスウィンギン進撃の連続でスカッと壮快に昂揚させてくれる旨味もたっぷりの会心打内容。
★現代ビッグ・バンドならではの適度に入り組んだ巨大建築様のクール・サウンドが炸裂するところもあるが、基本は何より歌心とスイング感を最重視する体質の、娯楽活劇路線の鑑然としたひたすらノリよく親しみやすい嬉々溌溂の行軍が、抜群の歯切れよさでもってストレートに展開してゆき、ホーン陣銘々の唄いに唄う朗々ソロや、引き締め役を担う守屋(p)の骨太弾奏、バネを効かせて分厚くウネり波打つ安ヵ川(b)のコク旨な躍動、音空間に愉しい南国的グルーヴ感を呼び込む岡部(per)のヒット技、などなど、各人の与えられた尺の中で伸びやかに完全燃焼する即興至芸の数々が豊饒なる盛り上がりを呈してゴキゲンだ。
★哀愁とハードボイルドさ漂うトランペット、ウォーム&アーシーそして時にはちょっと不思議っぽくも聞こえるトロンボーン、洒脱でクーリッシュなアルト、マイルド・スムースなテナー、ヘヴィーなドライヴ感ほとばしるバリトンら、いずれも千両役者たる美味さと煌めきを放つ管楽器陣の敢闘が魅惑的に際立つ一方、彼らをキッチリ盛り立てながら要所要所で前面に躍り出てド真っ当なリリカル・ファンキー・バッパーぶりを見せる守屋(p)のイキイキした奮戦がまた清々しく頼もしい。
★全体を通じ晴れ晴れと陽気で明快直球志向、しかもそのサウンドの一つ一つがとことんクッキリした輪郭の鮮明さを貫いた、ジャズ・エンタテインメントのお手本のような文句なしの逸品。
01. Soulful Mr. Morgan (Junko Moriya)
02. A New Step (Junko Moriya)
03. Moving Onward (Junko Moriya)
04. Michel (Junko Moriya)
05. Golliwog's Cakewalk (Claude Debussy)
06. Anjin, The Pilot (Junko Moriya)
07. Future & Hope (Junko Moriya)
08. Moon River (Henry Mancini)
09. For Kyoko (Junko Moriya)
10. Blues For Hayabusa2 (Junko Moriya)
11. Embraceable You (George Gershwin) - Bonus Track (CDのみに収録)
*all arrangements by Junko Moriya
Joe Motter (trumpet)
奥村 晶 (trumpet)
Mike Zachernuk (trumpet)
岡崎 好朗 (trumpet)
佐野 聡 (trombone)
東條 あづさ (trombone)
駒野 逸美 (trombone)
山城 純子 (bass trombone)
近藤 和彦 (alto saxophone)
緑川 英徳 (alto saxophone)
岡崎 正典 (tenor saxophone)
吉本 章紘 (tenor saxophone)
Andy Wulf (baritone saxophone)
守屋 純子 (piano, arrangement)
安ヵ川 大樹 (bass)
加納 樹麻 (drums)
岡部 洋一 (percussion)
2025年3月26日&27日東京 Sound City, A Studio録音
レーベル:Spiral (守屋純子の自主レーベル)
在庫有り
国内(自主製作)盤 デジパック仕様CD
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