デンマーク-コペンハーゲンを拠点に活動し(カーステン・ダールのサイドマンも務める)、このフレズリク・ロンディン(フレドリク・ルンディン)(ts)&カーステン・ダール(デール?)(p)とのトリオによるアルバムも過去既に2作品発表している他、師と仰ぐ大御所アレックス・リールとの2ドラム共演レコーディングも(2作品?)残していた、デンマーク・シーンを代表する中堅実力派ドラマー:ステファン・パスボー(1974年生まれ)の、ルンディン(ts)&ダール(p)との鉄壁トリオを率いての、2024年6月に亡くなった故アレックス・リールに捧げられた一編。繊細さと豪胆さを表裏一体に併せ持ち、中々手の込んだ芸の細かい多彩な精巧アタックを敏捷かつキレ味シャープに仕掛けてくるドラム/パーカッションのセンシティヴ・ワークが、終始ニュアンス濃やかにグルーヴとサスペンスを抜群の鮮度で醸成する中、幾分泥臭く質実剛健に哀愁を歌い上げる図太いテナー咆哮が粘り気を含んだコク旨な花形ぶりを見せ、また、ある時はスウィンギン・グルーヴィーに威勢よくブルース節を繰り出し、ある時はしっとりとメロウ・テンダーに詩的ロマンティシズムを映すピアノの端正なプレイも余情豊かに際立った、全体を通じ北欧流アクティヴ抒情派の正統らしいマイルド・メロディックな快演が貫かれて、旨味も充分に昂揚させ、感動させる充実の敢闘内容。歌謡的な旋律の美しさ・親しみやすさと、スイング感あり浮遊感もありの機微に富んだノリ、を先ずは何より重んじ、ブルース・フィーリングも自ずと潤沢に有した、インティメイトでありスリリングでもある研ぎ澄まされた鋭利さ漂うダイナミズム満点の躍動型リリカル演奏が敏活に展開してゆき、ドラムとパーカッションを併用し音空間に巧みなメリハリ・濃淡・明暗を齎すパスボーがトータル・カラーを決定づける確固としたナヴィゲイター役・船頭役を担う(但しあくまで裏方としての分を弁えている)一方、(表の顔としては)実質的に華を成すルンディン(ts)やサブ・スターっぽい立ち位置のダール(p)らの活躍が清新に冴え渡って素晴らしい。ルンディン(ts)の、歌性の強いアプローチにあってはちょっとホンカー寄りのネバっぽく豪放磊落な、野性味と牧歌性のない交ぜになった分厚い荒削りの雄叫びを上げ、インストゥルメンタル・ミュージック然とした局面ではコルトレーンに端を発するモーダル・スピリチュアルな唸り様でこれまた力強く圧倒する、という、ほぼ一貫してタフ&ワイルドなその揺るぎない個性=ストロング・キャラが頼もしげに魅力を放っており、かたやダール(p)の、主役はルンディンに譲ってこれを盛り立て、自身のソロ・パートではあくまでマイペースを保ってアメリカン小唄派の伝統に則った粋渋節や、スカンジナヴィアンならではの陰影豊かで彫りの深いクール・メディテイティヴな心象スケッチ風ビタースウィート・バラード解釈をそれぞれ簡潔に綴って独自の妙味を発揮し、懐の広いところを見せたりと、愉しい個人芸の聴きどころは目白押しだ。
Side A:
1. Danny Boy
2. Somewhere Over The Rainbow
3. Smile
4. Idaho
5. In Another Way (solo per/ds)
Side B:
1. Den Milde Dag Er Lys Og Lang
2. Moon River
3. Moppin' and Boppin'
4. Den Blå Anemone
5. When You Wish Upon A Star
Fredrik Lundin (tenor saxophone except A-5)
Carsten Dahl (piano except A-5)
Stefan Pasborg (drums, percussion)
2025年デンマーク作品
レーベル:
Stunt
御予約商品
輸入盤LP (限定生産)
入荷予定時期:2025年5月下旬 (LPのリリースは大幅に遅延する場合がございます。) 受注締切:2025年4月18日
※発注先案内の入荷時期を記載しておりますが、入荷時期は予告なく変更になる場合もございます。ご了承くださいませ。
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