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ホーム2025年4月REVIEW発掘!荘厳でシリアスな現代音楽寄りのチェンバー的アンサンブルと英国フリー・ジャズならではのクール・ドライなインプロヴィゼーションが鋭く交錯する独創肌コンポジション世界 輸入盤CD TONY COE トニー・コー / THE BUDS OF TIME
商品詳細
★ロンドンを本拠に長らく活動、ハード・バップ、トラッド〜スイング、クラシック〜現代音楽、フリー・インプロヴィゼーション、ジャズ・ロック〜コンテンポラリー、など驚異的に幅広いオールラウンドな芸風を有し、しかもそれぞれのジャンルで実に奥の深い、訴求力抜群な独自の創造性を発揮していた、英国を代表するマルチ・リードの個性的・進歩的名手:トニー・コー(1934年英国ケント州カンタベリー生まれ、2023年同所で死去)の、本盤は、自身のセクステット(またはセプテット)と弦楽カルテットを嚙ませた10人(または11人)編成のための2曲と、クラリネット&ピアノ&ベースのトリオによる2曲、が聴かれる、1979年8月&1980年5月ロンドンで吹き込まれていた(スタジオ録音)発掘編。

★端正なクラリネット2本の対位法的アンサンブルや現代室内楽とも云うべき荘厳な弦楽器のアンサンブルが飛び交って、先ずは一種のチェンバー・ミュージック風の音場が形作られるが、続いて現れるソプラノサックスの奔放なインプロヴィゼーション並びにそれに呼吸を合わせたベース&パーカッション&ピアノらの躍動が、フリー・ジャズ・タイプのアブストラクト・テイストやリズミカル・グルーヴィーさを鋭く醸成、やがてはまた一旦壮麗な室内楽モードへ戻りつつ、今度はクラリネットの即興ソロを中心としたヨーロッパのインプロヴァイズド・ミュージックらしいサスペンス世界へと推移し、最終的には結構マトモにエレガントな重層的管弦アンサンブルへ収束してゆく(更にフリー・テイストを濃くした#4の後半ではエレピの投入でファンク色も齎され、また英国流プログレッシヴ・ジャズらしさも増して本盤の集大成的な佳境=クライマックスを迎えることになる)、という、大凡は現代音楽に寄った英国流フリー派ならではのピリッとしたシリアスなコンポジション演奏が緊迫感をもって聴かれ、トリオで演じられる楽曲においてはよりグルーヴ感を強化しながら同時に現代クラシックの匂いも微妙に漂わせたフリー・ジャズ型の光景が描写されてゆく、といった調子で、全編トニー・コー一流のブリティッシュ・フリー・サウンドが生々しいサスペンスを伴いつつこってり愉しめる濃密内容となっている。

★大型アンサンブル趣向では作編曲面&構成面の意匠も際立ったドラマティックな大河ストーリー様の音景色が雄渾のスケールで(加えて複雑さをもって)創出され、トリオ曲ではよりシンプルなイキイキとしたフリー・インプロ・インタープレイ大会が展開されるが、そこでも一定の「楽曲」らしさや情緒性は保たれる、そうした道筋進行の中でコー(cl,ss)の自在苛烈にしてしっかりコンポジショナルな劇的インプロヴァイザーぶり、その絶好調のキレ具合や、クリス・ローレンス(b)、ロバート・コーンフォード(p)らのハード・バップとは行かないまでも意外とオーソドックスなジャズらしいアドリブ〜文脈センス、語り口の妙が抜群の生鮮度でテイスティーに満喫できる、中身の詰まった至高の充実作に仕上がっている。

1. The Buds Of Time (Coe) 24:15 (ensemble + strings)
2. The Jolly Corner (Coe) 13:22 (cl-p-b trio)
3. Music For Three (Coe/Cornford) 11:08 (cl-p-b trio)
4. The Buds Of Time (1980 version) (Coe) 20:59 (ensemble + strings)

*Tony Coe Ensemble:
Tony Coe (clarinet, soprano saxophone)
Antony Pay (clarinet on 1)
Alan Hacker (clarinet on 4)
Geoff Perkins (bass trombone on 1, 4)
Frank Ricotti (vibraphone on 4)
Chris Norton (piano probably on 1, 4)
Robert Cornford (piano probably on 2, 3) (conductor)
Chris Norton? or Robert Cornford? (electric piano on 4)
Chris Laurence (double bass on 1, 2, 3)
Ron Rubin (double bass on 4)
Gary Kettel (percussion on 1, 4)

with
*Delmé String Quartet:
Galina Solodchin (violin on 1, 4)
Jeremy Painter (violin on 1)
David Ogden (violin on 4)
John Underwood (viola on 1, 4)
Stephen Orton (cello on 1, 4)

1979年8月,1980年5月英ロンドンでのスタジオ録音

レーベル:Jazz In Britain

在庫有り
輸入盤三つ折り紙ジャケット仕様CD


発掘!荘厳でシリアスな現代音楽寄りのチェンバー的アンサンブルと英国フリー・ジャズならではのクール・ドライなインプロヴィゼーションが鋭く交錯する独創肌コンポジション世界 輸入盤CD TONY COE トニー・コー / THE BUDS OF TIME[JIB70SCD]

販売価格: 3,300円(税込)
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商品情報
JAZZ IN BRITAIN

★1979年、トニー・コーとボブ・コーンフォードは、6人編成のジャズ・アンサンブルと弦楽四重奏団という珍しい組み合わせのための作品を作曲。

※3. Music For Three(Tony Coe, Robert Cornford & Chris Laurence)
※4. The Buds of Time(The Tony Coe Chamber Ensemble)