★キューバ出身のピアニスト:ヤニエル・マトスを中心に、ブラジル-サンパウロのシーンで活動する精鋭達によって2002年に結成されたピアノ・トリオ=Mani Padme Trioは、過去この伊Redから2作品を発表して好評を得ていたが、本盤は2015年8月にサンパウロでスタジオ録音されていたRed第3作目。
★クリーンな透明感と歯切れのよさをもってきららかに光沢を放つ感じの繊細端麗タッチのピアノが、鋭角的ダイナミズムを多分に絡めながら哀愁と耽美性に彩られたポエティックなロマンティシズムを映す、リリカル・アクション・タイプの憂きメロディック・プレイを敏活に綴って瑞々しくも精悍な凛々しさある鮮度抜群の華を成し、ドコドコバシャバシャと賑々しくヴォリューミーに迫る爆裂ドラムや分厚くヘヴィーなブットいウネウネした撥ねっぷりで濃い口のグルーヴを齎す骨っぽいベース、らの勢いある奮戦も確固としてテイスティーに際立った、全般にアメリカともヨーロッパとも趣を違える独自の躍動型詩情派熱演が力強くも少々荒削りに推し進められて、烈々たる感動と興奮が味わえる会心打内容。
★現代感覚をナチュラルに反映して、即ち、4ビートでストレートにスイングするよりも半舞踏的リズミカル・ビートに乗って今っぽく軽快に律動することを優先した、そしてその中で結構スウィートな美メロの波が力学性を伴いつつダイナミックに躍る、といった感じのファンタジックかつパワフルな情緒型演奏が、あくまで分かりやすい娯楽活劇性に適った形でノリノリに展開してゆき、モスカ(ds)やヴィエイラ(b)のメリハリを利かせて図太く激動するアタッキングなサポートに頼もしくプッシュされ、触発される恰好で、主役を担うマトス(p)の、詩人でありハードな立ち回り師でもある何げに起伏に富んだアドリブ妙技が、雄渾でいてスッキリとシンプル・ストレートに澄み渡るような魅力を揮って、実に壮快だ。
→ソリッド&スクエアーに強硬な殺陣ワザを繰り出すアクション主義者〜タフガイ的側面と、ソフト&メロウ・テンダーに甘く物悲しい詩情を掬い取ってゆくロマンティスト面、とがごく自然に表裏を成したその、圧倒的迫力を呈しながら同時にしっかりマイルド・メロディアスなバランス絶妙の弾鳴のあり様には、清新さ卓抜の中々ユニークな妙味が、魅惑性があり、齎される昂揚感や旨みも格別。
1. Partida (R. Mosca, S. Vieira, Y. Matos) 1:50
2. Gotas De Rocio (Y. Matos) 5:18
3. Cais (M. Nascimento, R. Bastos) 7:04
4. Compreensiva (S. Vieira) 8:41
5. Cimarron (Y. Matos) 4:54
6. Estrada Rural (S. Vieira) 5:54
7. El Vuelo (Y. Matos) 5:22
8. Farofa (Y. Matos) 5:00
9. Rosa Morena (D. Caymimi) 5:14
Yaniel Matos (piano)
Sidiel Vieira (acoustic bass)
Ricardo Mosca (drums)
2015年8月2&3日ブラジル-サンパウロのThe Parede-Meia Studio録音
2025年イタリア作品
レーベル:
Red
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