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ホーム2023年5月REVIEWバップ・トランペットの本道を行くピリッとしたハードボイルド傾向と折り目正しく作法に適ったヨーロピアン・ジェントルマンらしいエレガンスや浪漫風情を併せ持つドイツ俊英の鮮やかなデビュー作! CD JAKOB BÄNSCH ジェイコブ・ベンシュ / OPENING
商品詳細
★ドイツ・シーンで頭角を現してきている弱冠20歳の新進ヤング・トランぺッター:ジェイコブ・ベンシュ(2003年ドイツ南西部のプフォルツハイム=Pforzheim生まれ)の、ワンホーン・カルテットを基本とした(一部パーカッションやストリングス、女性ヴォーカルが加わり、ピアノとのデュオも2曲ある)デビュー・アルバム。

★しなやかな張りとキレがあって幾分乾いた風合いの中から旨味が滲んでくるようなテイスティーなトーンのトランペットが、凛と背筋が伸びた感じのバピッシュなアクション語調を根幹としつつ、よりまろやかな歌謡的フレーズも適所適量盛り込んで精悍でありながら親しみやすい趣に巧まず仕上げる、という中々陰影豊かでビタースウィートな味わいの躍動型メロディック・プレイを繊細に、端正に綴って清々しくも余情深い華を成し、エレガントかつブルージーな均整のとれた弾奏でトータル・サウンドに上手く制御をかけるピアノの助演も歯切れよく魅力を際立たせ、彩りを添えた、全体を通じ極めてストレートアヘッドな現代ハード・バップの正統らしいグルーヴィー趣向にヨーロピアンならではのロマネスクな風味が程好く加えられたその音景色を、小気味よくも大層フレッシュに愉しませる好演内容。

★取っ付きやすい歌心とダイナミックなノリのよさを何より重んじるも決して甘すぎずピリッと絶妙にスパイスの効いた、瑞々しい青嵐が吹き抜けるイメージの真っ当なるハード・バピッシュ快演が爽やかな覇気をみなぎらせつつ軒昂げに展開してゆき、リズム・セクションの安定律動性とフェイント的奇襲力をバッチリ兼備した凹凸感あるアタッキングなサポート、にガッチリ支えられ、また煽られて、ベンシュ(tp,flh)の、折り目正しいジェントルイズムとパッショネートなハジけっぷりとが自然に同居した、さりげなく作劇構成センスも抜群のアドリブ妙技が実に鮮麗に冴え渡っていて素晴らしい。

→一音一音を慎重に選び丁寧に、誠実真摯そうに歩を進めてゆく辺りのデリカシーとニュアンスに富んだ欧州紳士らしい佇まいに先ずは魅了されるが、ソロ・パートが佳境に入ってくるとより豪快でワイルドネスも仄めく爆発的咆哮を炸裂させたりもして(ここら辺はちょっとF・ハバード似か?)大いに昂揚させてくれ、がしかしトータルなアウトラインとしては落ち着いた謙虚げな、作法や様式美を大切にするたおやかめのキャラを基本身上としており、そうした、ユーロ系リリカル派っぽい傾向とハード・バップ・トランペットの本道たるキリッとしたハードボイルドな硬質性やニガさとがごくナチュラルに表裏一体化した個性のあり様は、録音時二十歳前とは思えぬほどの揺るぎない成熟度・完成度そして綺羅星の如きスター性を堂々と醸し出していて全く見事。

★女性ヴォーカル&ストリングス入りの#03でのヨーロッパならではの耽美的で幽遠・深遠な哀愁浪漫世界の描出も、正にワン&オンリーで好インパクト。

01. Opening 2:48
02. Partida 6:02
03. Yearning 5:29
04. Repression 6:55
05. Yearning Variation Ii 1:27 *tp(or flh?) & p duo
06. Under Stars 5:56
07. Kiss And Run 6:31
08. Yearning Variation Iii 2:08
09. Exosphere 7:19
10. Farewell 1:55 *tp(or flh?) & p duo

Jakob Bänsch (trumpet,flugelhorn)
Niklas Roever (piano)
Jakob Obleser (acoustic bass except 05,10)
Leo Asal (drums except 05,10)
Simon Bräumer (percussion on 01,02,09)
Pauline Buss (viola on 03,06)
Sofía Martín Rodríguez (cello on 03,06)
Alma Naidu (vocal on 03)

2022年9月ドイツ-ボンのHansahaus Studio録音

レーベル:Jazzline

在庫切れ
再入荷予定

デジパック仕様CD

バップ・トランペットの本道を行くピリッとしたハードボイルド傾向と折り目正しく作法に適ったヨーロピアン・ジェントルマンらしいエレガンスや浪漫風情を併せ持つドイツ俊英の鮮やかなデビュー作! CD JAKOB BÄNSCH ジェイコブ・ベンシュ / OPENING[D 77117]

販売価格: 2,480円(税込)
数量:
商品情報
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JAZZLINE

モダンジャズを次世代に継承する弱冠20歳のZ世代が作りだす今昔のジャズエッセンス
時にはアクティブに、時にはスモークがかったメロウな音色
背景にクラシック音楽を持つジェイコブ・ベンシュが極限に凝縮したハイブリッドサウンド
アルマ・ナイドゥーが1曲に参加。

★未来のドイツ音楽界を担うZ世代トランペット奏者、ジェイコブ・ベンシュのデビューアルバムがリリース。
★ベンシュは 2003 年、ドイツ南西部に位置する都市プフォルツハイムにてプロのクラシック音楽家の子として生まれ、8歳でトランペットを演奏し始める。2018 年、国立音楽舞台芸術大学でジャズトランペットのジュニアスタディを修了し、バーデン・ヴュルテンベルク州立ユースジャズオーケストラのメンバーにもなった。2020年には、ドイツにおける次世代の有能なジャズミュージシャンのコミュニティとして知られる連邦ジャズオーケストラの最年少メンバーの一人となる。
★本作は彼にとって初めての大きな音楽的な業績であり、過去 20 年間に音楽家として、そして一人の人間として彼が学んだことのほとんど全てが含まれている。過去のジャズレジェンドへのリスペクトと、その中でも彼が愛してやまないモダンジャズの継承者であるウィントン・マルサリスを意識した作品にもなっている。
★今作『Opening』の中で最も魅力的な部分は、“チェンバー・ジャズ“、まさにグループとしてのサウンドの相互作用だろう。ブラシを使ったレオ・アサルの穏やかなドラムワークとニクラス・ローバーのビル・エヴァンス的な優しいピアノタッチ。そして、マーティン・ロドリゲスのチェロ、 ポリーン・ブルスのヴィオラ、アルマ・ナイドゥの声とベンシュの暖かいフリューゲルホーンのハーモニーそれぞれが効いて、クラシックとジャズの両方に精通しているベンシュだからこそ体現できる豊かな表現力が如実に表れている。(新譜インフォより)

Recorded and mixed by Klaus Genuit at Hansahaus Studio Bonn, Germany in September 2022