CATFISH RECORDS

★東京のライヴ・シーンで超多忙に活躍している新世代の敏腕ドラマー：中村海斗(2001年アメリカ-ニューヨーク市生まれ、1歳で栃木県栃木市に移住、小学1年生から群馬県太田市で育ち、その後奨学金を得て2020年より米バークリー音大に学ぶ)の、アルトサックス(現役女子高校生の佐々木梨子!)入りのカルテットによる初リーダー・アルバム。

★キレ味シャープかつ敏捷にジワリと躙り寄り突きを入れてくる感じなドラムの激動的攻勢も抜群の煽り立て効果とグルーヴ力を発揮する中で、苦味走ったアルトやピアノの精悍凛然たるソリッド・プレイが中々壮烈に、エモーショナルに見せ場を飾ってゆく、ハードボイルドでいてスカッと胸のすく敢闘内容。

★硬派で甘さは控えめの鋭さを多々感じさせ、しかし同時にちょっとおおらかな歌心や渋いブルース・フィーリングをも潤沢に備えた、コンテンポラリー・モード・ジャズの正統らしい毅然げな邁進が意気軒昂に展開され、手を代え品を代えビシビシ多彩に攻め込んでくる中村(ds)や、バネとウネりを利かせて強烈にドライヴしつつ朗々と唄う古木(b)、らのアタッキングな遊撃的バックアップに上手く触発されながら、ブレなく堂々とエネルギッシュに立ち回る佐々木(as)や、ブルージー風味強めのスクエアーな弾奏をカキコキぶつけてくる壷阪(p)、の勇猛凄絶なるアドリブ活躍が確固として密度の濃い盛り上がりを見せて壮快だ。

★佐々木(as)の、ピリッとしたビター・テイストの妖しい翳りあるモーダル・アグレッシヴ・アクションを基本身上とするも、その吹鳴には決して汗をかいていない独自の思索性・理知性を底流させた、一聴シリアス&パッショネートでありながらクールでもある、という、圧倒的激烈さと端正な洗練さが表裏一体化したその個性のあり様が、一本太い骨芯の通った揺るぎない泰然たる花形ぶりを示していて傑出しており、一方壷阪(p)の、硬質で角張った鳴動の内側から結構粋渋なブルースの旨味や燻し銀的バップ・スピリットを仄かに滲ませる堅牢弾奏がまた、巧まず的確な抑え役を担っており、何げに懐深い魅力を放って好もしい。

1. Blaque Dawn
2. New Friends 1
3. Apoptosis
4. My Funny December
5. Noir
6. Song for Numān
7. U.R.B.
8. That Little Boy

佐々木 梨子 (alto saxophone)
壷阪 健登 (piano)
古木 佳祐 (bass)
中村 海斗 (drums)

2022年日本作品

レーベル：Brilliant Works ウルトラ・ヴァイヴ (Ultra-Vybe)

在庫有り
国内制作 デジパック仕様CD