CATFISH RECORDS

★デンマーク出身で現在はスウェーデンを主たる拠点として活動している、ソングライター・タイプの女性ヴォーカリスト兼アルトサックス奏者：ヨハンナ・リネア・ヤコブソン(1991年デンマーク生まれ)の、ギター、ピアノ、ベース、ドラムとの5人体制による初リーダー・アルバム。

★折り目正しくきめ濃やかでニュアンスのこもった、トーン高め・線は細めのちょっと消え入るような儚さ・霞っぽさも感じさせるクール・ヴォイスが、歌詞とメロディーを大切にしてしっとりと優しく囁きかけるが如き抒情派歌唱を軽妙流麗に綴って、何とも瑞々しくきららかな華を成し、ブルージー・テイスティー&メロウ・テンダーな寛ぎアルトや、アーシーな吟醸味濃い旨口ギター、端正でスクエアーなバピッシュ・ピアノなど、インスト面の見せ場もふんだんに盛り込まれてカラフル&ドラマティックに抜群の鮮度で愉しませてくれる充実内容。

★涼感とコクを兼備した現代北欧流ハード・バップの正統らしい演奏の魅力も際立ちながら、インティメイトな和気と、寛ぎの中にも一定の緊張を絶やさないキレのあるグルーヴ＝敏活なスイング感、に彩られた小気味のいい行き方が続き、歌心や瀟洒味に満ちたインストのおいしさ・ノリのよさと、主役ヤコブソンのヴォーカルに顕れる極めて純度の高い独特の透明感や白雪の如き清潔さ・爽冷さ、とでうっとりさせられつつ誠に心地よい道程をスイスイ聴き進ませる。

★ヤコブソンの、肩の力を抜いた自然体調子で余裕と節度、落ち着きを絶やすことなく軽やかに宙を舞うように誠心こめて丹念に語りかけてくる感じの、ロマンティック&ファンタジックな詩情とウィット溢れるリリカル・ヴォーカルが、ひたすら涼やかそしてまろやかに抑制ある映え渡り様を見せていて何より卓抜で、またアルトサックスでの、レスター系寛ぎ奏法のアルト化とキャノンボール系ファンキー文体をミックスしたようなスタイルで、どこまでも滑脱にヴォーカリストらしいストーリーテリングの粋を発揮するブローイングも中々クーリッシュ&ソフィスティケートに冴えていて絶品だ。

★ダウン・トゥ・アースな醸熟ブルース・テイストとコンテンポラリー感覚織り混ぜた濃い口プレイでイキイキと追撃してくるPetersson(g)の活躍もナイス・アクセント。

1. Alone Together
2. Itinerant
3. Anything
4. Opaque (instrumental)
5. She's Leaving Home
6. Stolen Moments (instrumental)
7. The Single Petal Of A Rose (instrumental)
8. Blue
＊all compositions by Johanna Linnea Jakobsson except #1 by A.Schwartz & H,Dietz, #5 by P.McCartney & J.Lennon, #6 by O.Nelson and #7 by D.Ellington

Johanna Linnea Jakobsson (vocal except 4, 6, 7) (alto saxophone on 2, 4, 5, 6, 7)
Robin Petersson (guitar)
Gustaf Rosenberg (piano)
Anders Fjeldsted (bass)
John Fernold (drums)

2021年6月デンマーク、コペンハーゲンのHHH Music録音

レーベル：AMP Music & Records

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ペーパースリーヴ仕様CD (帯・ライナー付国内仕様輸入盤)