CATFISH RECORDS

★今世紀初頭より母国：デンマークのジャズ・シーンで活躍し、Cope、Calibrated、Red Dot Music、自己レーベル(Sinne Music)、Stunt、Master Music等より次々と優れたアルバムを発表して好評を博し、支持層を拡大してきた才色兼備の人気歌姫：シーネ・エイ(1977年デンマークのレムヴィー＝Lemvig生まれ)の、今回は、名門楽団：The Danish Radio Big Bandと組んでの一編。

★清楚透徹できめ細かくもドッシリした安定性や重みを感じさせるところもある、落ち着いた中音域の弾力&張りにも富んだ端麗ヴォイスによる、先ずは何より歌詞とメロディーを大切にしたテンダー&デリケートな抒情指向の行き方を基調として、瀟洒で優しいロマンティシズム世界をじっくり形作り、転回として中々達者な半器楽的スキャット技なども盛り込んで、敏活でキレのある旨口のグルーヴ感を軽々かつ堂々と朝飯前に醸成して見せたりもする、という、緩急自在の劇的演唱が実に鮮やかに颯爽と冴え渡った会心打内容。

★バックのビッグ・バンドのスケール雄大で奥行きに富んだ、超ダイナミック・グルーヴィーでしっかりハード・バピッシュな迫真力満点の軒昂熱演、もスリリング&ウマみ濃厚にバッチリ魅力を際立たせながら、リアル・ジャズ・ヴォーカルの本道を揺るぎなく確固と突き進む、小粋でソフィスティケートそれでいて力強いハツラツとしたエモーショナルな道程が続き、主役：シーネ・エイ(vo)の、柔和で濃やかな機微やスウィートネスと、ブレのない泰然自若たる凛々しさや熟した風格、を自ずと併せ持つ、さすが十全に研ぎ澄まされ練達した、そして一声一声に華のある語り口の妙があくまで悠々と絶好調ぶりを見せて卓抜だ。

→ちょっと低めに芯の据わった、微妙にドスも利いているコク深きブルージー節と、裏声を巧みに活用して素速く高音に切り替わり、クール&プリティーな清風をそよ吹かせるが如き脱力的波乗りフレージング、とを自在に織り混ぜて結構表情も多彩にイキイキとメリハリをつけ、時にはパンチのあるシャウト熱唱や軽やかでこなれた粋なスキャットも滑り込ませて、起伏よろしきドラマティックなストーリーラインを精悍に、しかしながらリキみはなく自然体の伸びやかさをもって易々と形作る、その何げに懐広げでシッカと確立され完成された歌声のあり様は、味わいも芳醇で格別。わりかしアグレッシヴなサックス、アーシー&ソウルフルなトロンボーン、ブルージーなグルーヴ色満点の鋭角的ギター、らの活躍も大いに光る。

CD 1
01. We've Just Begun
02. Like A Song
03. Those Ordinary Things
04. Talking To Myself
05. Hvorfor Er Lykken Sa Lunefuld
06. My Favorite Things
07. Samba Em Comum
08. Detour Ahead
09. Comes Love
10. To A New Day

Sinne Eeg (vocal)

The Danish Radio Big Band
Nikolai Bogelund (conductor)
Jesper Riis (arrangement on 02, 03, 06, 07, 10)
Peter Jensen (arrangement on 01, 04, 05)
Roger Neumann (arrangement on 08, 09)

2019年1月28-31日デンマーク-コペンハーゲンのDr Koncerthuset Studio 3録音

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三面デジパック仕様CD