★フリージャズの生き字引的な存在のエヴァン・パーカーとTHURSTON MOORE、OKKYUNG LEE、STEVE BACZKOWSKI、AARON DILLOWAY他、多彩なアーティストと共演 してきた米国のインプロ・ギタリスト、ビル・ネイスの2025年新作アルバム「ブランチズ」。
★ビル・ネイスは、最後のソロ・レコード「Through a Room」で、いつもの飽和したギター・サウンドを変え、テープ、ハーディ ガーディ、ドーナツ パイプ、鳥の鳴き声、そして神秘的な日本の大正琴を加えた。OTOでの 3 日間のレジデンシー最終日の夜、サウンド・チェックは大正琴のみで行ったが、ネイスはパーカーがその対極となる小さなソプラノを持って来ることを期待していた。
★「状態の変化に興味があったんです。つまり、時間が変化するまで演奏し続けること」。絶えず変化するパターンを生み出すマルチフォニックの開発で知られるエヴァン・パーカーは、すぐにそれとわかるサウンドを進化させてきた。彼の作品で最も際立っているのはソプラノだ。幸いなことに、それはエヴァンが持参したソプラノであり、2 人が演奏を始めるとすぐに絡み合い、無限に再構成される準備が整ったキーとリードの二重らせん状に飛び立つ。演奏の速度で空間が歪み、ピッチは容赦なく上昇していく。まるで部屋全体が果てしなく舞い上がるようだった。最後の音まで、純粋なエネルギーが全身を床につけていたことを思い出させる。まさに、ひたすらにシュレッディングを続けた。
★「このカフェOTOの夜、ビルの二弦大正琴の音世界は、エヴァン・パーカーの即興サックスのコンセプトと見事に調和していた。二人組は原点から一瞬の飛躍を遂げたかと思うと、まるで有機的に定められたかのように、最後のフィナーレを迎えた。時間は、古来人間が築き上げてきた制御という概念から、まるで至福の祝福のように、音楽の多方向・汎空間的な響きの魔法のような共鳴によって激しく活性化された、激しい超越性の中では取るに足らないものへと変貌したかのようだった。芸術という精神の解放の力によって、聴衆に高揚感と喜びを授けた夜の一つだった。まさに神秘的で、息を呑むような夜だった。まさにトータル・ミュージックの夜だった。」 - サーストン・ムーア、ロンドン、2025年
1.Branches
Bill Nace(electric two string taishōgoto)
Evan Parker(soprano saxophone)
2024年5月25日 Cafe OTO 録音
Recorded by Billy Steger
在庫有り
輸入盤LP (500枚限定)