★
依然グローバルかつ精力的な猛進撃を続けるオランダの人気正統派ピアニスト:ピーター・ビーツ(1971年オランダのデン・ハーグ生まれ)の、今回はアメリカ勢と組んだ新トリオによるガーシュウィン名曲集。
★歯切れよく硬質堅牢な、深い陰影とコクを湛えた小石を転がすような鋭角的タッチのピアノが、粋な小唄フィーリングと渋くてイナセなブルース・センス溢れるごく正攻法のメロディック・スインギー・プレイ、を軽やかに紡いで、おいしさ格別の生鮮で清々しい華を成した好演内容。
★和気あいあいのインティメイトな寛ぎ気分と安定律動的なノリのよさ、そして親しみやすいキャッチーな歌心、にしっかりと貫かれた、徹頭徹尾メロディアスでテイスティー・グルーヴィーな明朗娯楽指向のリリカル・バピッシュ快演、が嬉々として愉しげに連続し、軽妙瀟洒な歌物セッションの鑑とも云うべき誠に小気味のいい道程の中で、ベース&ドラムの手堅くも中々芸の細かい端正なサポートに上手くプッシュされながら、ビーツ(p)の、ハード・バップ・ピアノの伝統、或いは歌謡インストのオーソドキシー、に揺るぎなく根を下ろした、簡潔平易にして余情深く、硬派でスクエアーかつ洒脱なウィットに事欠かない、アーシーでソウルフルなブルース由来の吟醸テイストもたっぷり含んだ、さすが練達の語り口がひたすらハートウォーミングに、しかもあくまで事も無げに風流な冴え渡り様を見せて絶好調だ。
→硬角質でダイナミックな殺陣風のバップ・イディオムに則った翳りあるシブめのアクション文体と、所謂「ファンキー」系統のリラクシングにして勇み肌っぽくもある旨口フレージング、とを按配よく掛け合わせた、どこまでも明るくおおらかで晴々朗々とした衒いなき鉄板・定番の名人芸に自然体で終始し、その風合いはさっぱりしていながら後には何とも云えぬアジな、ちょっと雅やかな余韻が残るという、そうした、さりげなく一つの芸道を究めた悠々たる匠のストーリーテリングは絶品。
1. Our Love Is Here To Stay (5:58)
2. I Loves You, Porgy (7:19)
3. Embraceable You (3:10)
4.‘S Wonderful (3:38)
5. I've Got A Crush On You (5:00)
6. Summertime (4:35)
7. How Long Has This Been Going On? (5:36)
8. They Can't Take That Away From Me (5:53)
9. Lady, Be Good! (6:20)
Peter Beets (piano)
Tom Baldwin (bass)
Eric Kennedy (drums)
2018年6月8日メリーランド州のTonal Park録音
レーベル:
Magic Ball Jazz
在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
輸入盤CD