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ホーム2021年8月REVIEW繊細で端正なしっとりとしたヨーロピアン耽美派ロマンティシズム傾向と、小粋で渋い唄物バップ・ブルース感覚を兼備したリリカル・ピアノ・トリオの謹製品 CD FREDERIK VILLMOW TRIO フレーデリク・ヴィルモウ / MOTION
商品詳細
★ノルウェー-オスロを拠点にヨーロッパ一円で幅広い人脈の中、活躍しているドイツ出身の若手ドラマー:フレーデリク・ヴィルモウ(1993年ドイツのケルン生まれ)の、好評だったAMP Music & Recordsよりのデビュー作(トーマス・フランク-ts参加のコペンハーゲン・ライヴ)に続いてのセカンド・アルバムがLosenから登場、=今回はヴェテラン・ピアニスト:ヴィーグライク・ストロース(1963〜)をフィーチュアしたノルウェジアン・ピアノ・トリオによる一編。

★表情多彩できめ濃やか、そしてシャープなキレや揺るぎないドスっぽさをも湛えたドラムの、瞬発力・機動力に長けた変幻自在の遊撃奇襲型敏捷躍動や、バネとウネりを強力に利かせて適宜粘っこく執拗にまとわりつきつつ同時に歯切れよいスイング感もしっかり提供する肉太ベースの波打ちアクション、に頼もしく支えられ、刺激されながら、繊細で端正かつ芯の据わった重みや固さをも自ずと備えるニュアンスに富んだストーン・タッチのピアノが、浮遊感を伴いつつ心象風景の移ろいをじっくりスケッチするかのようなロマネスクで奥深い散文詩風の耽美フレージングであったり、落ち着いた調子でマイルド&ストレートに伝統的な唄物世界を描き出す小粋さ充分の寛ぎバラード路線であったりの、あくまで明快で生鮮な情感模様を大切にしたメロディック・プレイをセンシティヴに紡いで、行間ある瑞々しい華を成した好演内容。

★現代ヨーロッパの抒情派らしい、妖しくゆったりトグロを巻くが如きインタープレイ特有のスペイシー感漂う、翳りを帯びたファンタジック&ドリーミーな唯美的アプローチと、アメリカン・バピッシュ小唄のオーソドキシーにキッチリ則った軽妙洒脱でブルージー・テイスティーな王道志向のリラックス・スインギー調、とを二本柱とし、その両者を掛け合わせてちょっと牧歌的にしみじみと哀愁を映し出すフォーク寄りのトラックがあったりもする、全体を通じて決して過度な内省傾向に陥ることなくあくまで晴れやかな開放感とごく親しみやすいメロディーの端麗さ=摑みのいい歌心の表出、を欠かさない、ロマンティシズム溢れるリリカル演奏(バラードも頻出)が流麗滑脱に展開され、何げにバランス感覚絶妙で節度とエレガンスを巧まず纏った雅趣豊かな道程の中で、ヘッゲ(b)&ヴィルモウ(ds)の程好くサスペンスフルに躙り寄ってくる敏感・機敏なサポートに上手く触発されて、実質的主役を担うストロース(p)の、腰を据えてじっくり構えたヨーロピアン・ポエット気質な側面と、小気味よくサバサバと軽やかにグルーヴするアメリカン歌物派に最接近した行き方、とを的確に使い分け、または融和させた制御力あるアドリブ妙技が、実に清新に冴え渡って見事。

→透明感やしっとりした潤いを豊富に放ちながら宙を遊泳するような、或いはきららかな水滴が流れてゆくような、憂いと甘美さに満ちた北欧人らしい浪漫表現に深遠なる妙味を発揮する一方、スタンダード歌曲に取り組むにあたっての極めて誠実真摯な正攻法に徹したブルージー・バピッシュ・プレイ、から醸し出される確たるジャズ魂や瀟洒なウィットっぽさにも得難い魅力があり、その、誠に上手い按配で均整のとれた(またナチュラルに抑制された)さりげなくフレキシビリティ抜群な弾鳴のあり様は、全くもって風流で大いに卓越している。

1. Open Landscape Two (Frederik Villmow)
2. December Waltz (Frederik Villmow)
3. Slow Motion (Frederik Villmow)
4. Blame It On My Youth (Oscar Levant)
5. Like Someone In Love (Jimmy Van Heusen)
6. A Lovely Way To Spend An Evening (Jimmy McHugh)
7. Open Landscape One (Frederik Villmow)

Vigleik Storaas (piano)
Bjørn Marius Hegge (bass)
Frederik Villmow (drums)

2020年12月19日ノルウェー-トロンハイムのオーラ・スタジオ(Øra Studio)録音

レーベル:Losen

在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします

(見開き)紙ジャケット仕様CD


繊細で端正なしっとりとしたヨーロピアン耽美派ロマンティシズム傾向と、小粋で渋い唄物バップ・ブルース感覚を兼備したリリカル・ピアノ・トリオの謹製品 CD FREDERIK VILLMOW TRIO フレーデリク・ヴィルモウ / MOTION[LOS 261-2]

販売価格: 2,350円(税込)
数量:
商品情報
LOSEN

フレーデリク・ヴィルモウ Fredereik Villmow は、1993年、ドイツのケルンに生まれました。父は、ケルン・ビッグバンドのリーダーとして知られるサクソフォーン・プレーヤー、ミヒャエル・ヴィルモウ。フレーデリクは、ジャズシーンで名声の高いトロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)ジャズ科で修士号を取得。オスロに住み、ドラマー、作曲家、バンドリーダーとしての活動を行っています。彼は、幅広い人脈をもち、デンマークのトマス・フランク、カール・ヴィンター、ノルウェーのヴィーグライク・ストロース Vigleik Straas、ビョルン・マリウス・ヘッゲ Bjørn Marius Hegge、イングランドのアラン・スキッドモアをはじめとするプレーヤーや、スウェーデンのマッツ・ホルムクヴィスト・ビッグバンド、オランダのメトロポール・オーケストラといったアンサンブルと共演してきました。バンドリーダーとしての最初のアルバム、「ジャズハウス・モンマルトル」のライヴを収録した『Frederick Villmow Quartet feat. Tomas Franck - Live in Copenhagen』を2019年にリリース。日本の「Jazz Japan」「Jazz Life」など、各国のジャーナリズムから高く評価されました。Losen Records が初めてリリースするフレーデリクの『Motion』は、彼のアルバム第2作。ヴィーグライク・ストロースのピアノ、ビョルン・マリウス・ヘッゲのベースと組んだトリオで演奏する初めての録音です。2曲の《Open Landscape》《December Waltz》など、彼が作曲した「抒情的」な作品と3曲のスタンダード・ナンバーが好対照のプログラムが組まれています。(新譜案内より)

録音 2020年12月19日 オーラ・スタジオ(Øra Studio)(トロンハイム、ノルウェー)
制作・ミクシング フレーデリク・ヴィルモウ
録音 キュッレ・ロースタ
マスタリング フローデ・ベルグ