★極めて高度なテクニックもその豊かなイマジネーションも常に軽々と超絶しきった進歩的コンテンポラリー・テナーサックス(マルチリード)の無双の最高実力者:クリス・ポッター(1971年米イリノイ州シカゴ生まれ)の、今回は、クレイグ・テイボーン(p)、スコット・コリー(b)、マーカス・ギルモア(ds)とのオールスター・カルテットによるNYヴィレッジ・ヴァンガードでの白熱ライヴ編。
★シャープな締まりやキレに富むと同時にまろやかな人肌っぽい温もりや芯の据わった重量感をも自ずと備える、骨太肉厚な隆々トーンのテナーが、ファンク的なアーシー・ブルース感覚に溢れ曲芸並の超敏速かつ精確なダイナミズムを顕示しながら、しかしあくまで晴々朗々と歌謡的フレーズを事も無く綴りきる、スケールもデカいメロディック・アクション・プレイを滑脱にキメて風格堂々たる華を成し、一方、吟醸ソウルみなぎったダウン・トゥ・アース傾向とモーダル・バピッシュな鋭角的アグレッシヴさ混合で中々ワイルドに追い上げてくるピアノや、バネを利かせて強烈にドライヴする逞しきウネウネ・ベース、どっしりヘヴィーにして歯切れよい瞬発力をもって雷を落として回る風なゲリラティック・ドラム、らの「サポート」の域を好もしく逸脱したアタッキングな猛襲ぶりも、しっかり濃い魅力を際立たせた、全編理屈抜きにエキサイティングなグルーヴと感動を迫真力満点に堪能させてくれる会心打内容。
★概ね、ファンクの要素を多分に(&ナチュラルに)含んだ現代流モード系ハード・バップ・ジャズの一正統らしい、硬派でいて娯楽活劇性溢れる激烈躍動型リズミカル熱演がイキイキと展開してゆき、リズム隊の手加減抜きに全力で攻め込んでくる遊撃奮戦に上手く煽られながら、ポッター(ts)の、猛々しくスピーディーに動き回りまくるも一切ブレるところのない、涼しげでさえある研ぎ澄まされたアドリブ至芸が実に鮮麗に冴え渡って、スカッと壮快なる昂揚感が齎され、全く清々しい。
→例によってハイ・ブロウな速射砲撃的アクロバティカル・アタック!がアザやかにキマッていて大いに圧倒されるが、決して技巧に走っている印象はなく、その根っこには明朗に「歌う心」と伝統的ブルース・フィーリングが絶えず確固と脈打っている、というそのどこまでもエンタテイナー気質の人情味に満ちた芸風のあり様はまさしく旨味の宝庫、好感度も説得力も抜群で、殊に、浮遊感渦巻くスペイシー&スローリーなバラード・インタープレイ的局面(#3)における耽美的・半内省的ロマンティシズムとコルトレーン・ライクな大立ち回りのスピリチュアル攻勢との見事な掛け合わせ文体や、4ビートでストレートにスイングするおおらか路線(#4)での嬉々溌溂とした正攻法の粋渋ハード・バッパーぶり、辺りに象徴される、そうした気力も充実しきりノリにノッた吹鳴キャラにはひたすら爽やかに魅了される限りだ。ファンキーとアブストラクトの両輪で不屈に追撃してくるテイボーン(p)の活躍も好アクセント。
1. You Gotta Move 14:01
2. Nozani Na 10:53
3. Blood Count 9:01
4. Klactoveedsedstene 7:26
5. Olha Maria 6:22
6. Got The Keys To The Kingdom 13:37
Chris Potter (tenor saxophone)
Craig Taborn (piano)
Scott Colley (bass)
Marcus Gilmore (drums)
2022年2月ニューヨークのthe Village Vanguardでのライヴ録音
レーベル:
Edition Records
※カラー盤仕様の可能性もございます。
詳細判明後、更新致します。
御予約商品
輸入盤LP
入荷予定時期:2023年2月下旬 受注締切:2023年1月16日
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