CATFISH RECORDS

★GRPやImpulse!、Katalyst Entertainment、Tompkins Square等よりの作品群に好評を得てきた、アメリカの黒人テナー(&ソプラノ)サックスの中堅実力者：テオドロス・エイヴリー(1973年カリフォルニア州フェアフィールド生まれ)の、今回は、2種カルテットによるセロニアス・モンク名曲集。

★締まりと弾力感ある分厚くバウンド跳躍力も抜群な「ヘヴィーウェイト団子」風トーンのテナーが、ハード・ドライヴ感全開で敏活闊達に朗々とブルージー歌謡アクションっぽく哀歓を活写し、エキサイトしてくるとよりアグレッシヴ&ワイルドに音数も多い激烈な速射砲撃的大咆哮を轟かせて、ひたすらスカッと壮快にイナセさ満点の精悍軒昂なる華を成し、リズム・セクションのキレ味鋭くモーレツに驀進スイングしまくる程好い疾走感を伴ったアタッキングなサポートも、ノリノリの鉄板グルーヴと迫真白熱のスリルを強力に高めて鮮麗なまでの魅力を際立たせた、全編前のめりの威勢溢れる猛爆的快演の連続で、理屈抜きに清々しく昂揚させてくれる会心打内容。

★歌心とスイング感とブルース・センスを何より大切にした、基本は明朗直球型の人情派娯楽活劇的な現代ハード・バップ大会、が嬉々として力強くもおおらかに展開され、前半では安定律動的な定形ビートをキッチリと刻み続け、後半では幾分か乱調気味に意表も衝いてくる各リズム隊の、自在なアクティヴィティーに満ちたダイナミックなバックアップに上手く触発されながら、エイヴリー(ts,ss)の、小粋で軽やかな唄性とブルース由来の吟醸味にしっかりと貫かれた滑脱この上なきメロディック・プレイ、或いは、更に熱血苛烈なパッショネートさ・爆裂性を強めた大暴れの吠えワザ、が胸のすくような晴々朗々たる見せ場を堂々飾りきってゴキゲンだ。

→ハンク・モブレーやチャーリー・ラウズ辺りにも底通するところのある、丸みを帯びたスモーキー・ドライヴィングな溌剌闊歩風のハズみ躍るが如き芳醇節、を基本身上としながら、コルトレーンに接近した圧倒的シーツ・オブ・サウンド・タイプの切迫感みなぎる絶叫ブロウや、ソプラノに持ち替えてのレイシーやリーブマンに迫る鋭利で甲高い突っ掛かり囀り技、といった転回も的確に織り混ぜてメリハリを醸成し、トータルとしてはあくまで悠々と風格を絶やさず筆を滑らせてゆくその語り口は、熟達さとコクに溢れていて説得力も絶大。ちょっと奇天烈でアクロバティカルな半異形めの曲芸をマイペースで繰り出す、D.D.ジャクソン(p)の助演も巧いスパイス効果。

Band 1
01. Teo
02. Monk's Dream
03. Ruby, My Dear
04. Evidence
05. Rhythm-A-Ning

Teodross Avery (tenor saxophone)
Anthony Wonsey (piano)
Corcoran Holt (bass)
Willie Jones III (drums except 03)
Allakoi "Mic Holden" Peete (cajon on 03)

Band 2
06. In Walked Bud
07. Ugly Beauty
08. Pannonica
09. Trinkle, Tinkle
10. Boo Boo's Birthday

Teodross Avery (tenor saxophone on 06, 09, 10) (soprano saxophone on 07, 08)
D.D. Jackson (piano)
Corcoran Holt (bass)
Marvin "Bugalu" Smith (drums)

2020年1月14日Big Orange Sheet Studios録音

レーベル：WJ3 Records

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三つ折りデジパック仕様CD