四半世紀の絆が生んだ、芳醇な音楽。 Mariëlle KoemanとJos van Beest、そしてJos van Beestと澤野工房。 流れる時に揺らぐことのないふたつの結びつきが約束する、極上の安らぎ。
人と人を結びつけるものは何だろうか? 誰かと出会う。惹きつけられる。繋がりたい、と強く願う。その時、心と身体を貫いて人を突き動かすものは?好奇心?情熱?欲望?…或いは、愛、と呼ばれる何物かなのか?いずれにしてもそれは強いパワーであなたを呑み込むだろう。複雑な人間の内面が、ひどくシンプルになる、そんな瞬間なのかも知れない。それに比べると、人と人とを結びつけ「続ける」ものは些か難しい。いかに熱い炎もやがては鎮まっていく。それでも、お互いに離れることなく共に生きることを選ぶ原動力は、そもそもの始まりよりも遥かに奥深い感情なのではないだろうか?待望久しいサワノの新譜は、そんなことを考えさせてくれる作品だ。主人公はマリエル・コーマンとヨス・ヴァン・ビースト。ヴォーカリストとピアニストとして、そして、人生のパートナーとして、長い年月を共に過ごしている2人である。そのコンビネーションが生み出す世界は、いつも穏やかな優しさに満ちており、多くの作品で人々を魅了して来た。今回のプログラムは、誰もが知るスタンダードをメインに、本当にさりげなく編まれた詞花集の味わいがある。ビーストは、『Because of You』での初登場以来、誰にも親しみやすく、聴くほどに味わいを増す、これこそが「澤野工房の音」だという演奏を紡いで来た。まさにレーベルの「顔」だ。その歴史はすでに四半世紀に達した。だから、このアルバムは、マリエルとビースト、ビーストとサワノという、二つの絆の物語をリスナーに伝えているのだと思う。そこにある深い信頼は、音楽に姿を変えてあなたを満たす。え?時を経て熱は失せたのか、って? それは、ほら、そう見えるだけのことで、密やかに秘められたものはずっと息づいているのかも。 そう考えると…Isn’t It Romantic (ロマンチックじゃない)?TEXT BY 北見柊
01. You Turned the Tables on Me
02. Moonglow
03. Little Jazz Bird
04. A Little Taste
05. In the Wee Small Hours of the Morning
06. We’ve Got a World That Swings
07. Blue and Sentimental
08. Isn’t It Romantic?
09. Manhattan
10. As Long as I Live
11. Lobo Bobo
12. No Moon at All
13. Midnight Sun
14. Give Me the Simple Life
15. How Do You Say Auf Wiedersehen
Mariëlle Koeman: vocal
Jos van Beest: piano
Hans Mantel: bass
Gijs Dijkhuizen: drums
Special guest
Martien Oster: guitar
レーベル:
澤野工房
ご予約商品
2025年12月15日発売予定
国内盤デジパック仕様CD
※このCDのみご購入ご希望の場合は、送料込み価格2,640円になります。