★オランダの人気ヴェテラン女性歌手:マリエル・コーマン(1966年生まれ)の、今回もまた夫であるヨス・ヴァン・ビースト(p)(1956年生まれ)率いるトリオと組んだ、途中5曲にゲストとしてMartien Osterのエレクトリック・ギターも加わって来つつのスタンダード中心の最新アルバム。
★粋渋なファンキー・ハード・バップの鑑の如きピアノ・トリオの味のあるグルーヴィー演奏に確固と導かれて、スッキリ爽やかに澄んでいながら重心にブレるところのない中高音の清涼感溢れるクリーン・ヴォイスが、歌詞とメロディーを大切にして丁寧に語りかけるようであり、それでいてリアル・ジャズ・ヴォーカルならではのリズミカルなグルーヴ表現やブルージーな旨味の醸成、も巧まず自然に盛り込まれた、基本はあくまで抒情指向のテンダー&ハートウォーミングな柔和演唱を瑞々しくもしっとり淑やかに綴って、優しい包容力と生鮮度抜群の得難き煌めきを放ち、インスト・サイドの堅実にして芸の細かい阿吽のバックアップも機微&余情ある魅力を際立たせた、全編を通じ極めてオーソドックスな寛ぎスインギー妙演が続いてホッと一息つかせてくれる、ほっこり効果満点な白眉の安心内容。
★インティメイトな和気あいあいさやリラクゼーションを変らず底流させた、「アメリカン・スタンダードをメイン・レパートリーとするリリカル・ジャズ・ヴォーカルの真っ当な理想形」とも云うべき、軽妙で瀟洒なウィットっぽさを感じさせる落ち着いたメロウ・ムーディーこの上ない行き方、が溌溂と愉しげに進められ、1曲1曲は長すぎず簡潔な尺にまとめられた快テンポの道程の中で、ファンキー・テイスティーなJ.v.ビースト(p)や結構ダウン・トゥ・アースな醸熟ソウル一杯のOster(elg)にも適度に見せ場が振られて色彩変化&メリハリが齎される一方、花形主役であるコーマン(vo)の一貫してソフト&デリケートな正攻法に徹しての真心こもった歌い回しが、洒脱かつ感動的に冴え渡って何とも素敵だ。
→アメリカ白人系抒情派もしくはクール派の影響を覗かせる徹頭徹尾自然体の、しかも一節一節・一声一声に濃やかな丹誠の込められた、ヒネらず崩さぬその真摯な"語り節"は殊の外フレッシュに胸に染み入る妙味を漂わせ、ごく一部でスキャットを使うところもあるがそれも転回アクセント程度にとどめ、ひたすら詩の言葉と旋律の美を何より重んじる姿は安定して高度なその歌唱テクニックの揺るぎなさとも相まって、好感度ならびに説得力絶大。ヴォーカル&演奏ともそのヒンヤリしたクーリッシュな風合い〜独特の清潔な透明感がヨーロッパ的と云えばヨーロッパ的ではあるが、トータルなアウトライン・イメージとしてはヨーロッパ色はさほど感じられず、アメリカン・メインストリーム派になりきっているそうしたオールド・ファッションな世界観もナイス美点。
01. You Turned The Tables On Me
02. Moonglow
03. Little Jazz Bird
04. A Little Taste
05. In The Wee Small Hours Of The Morning
06. We've Got A World That Swings
07. Blue And Sentimental
08. Isn't It Romantic?
09. Manhattan
10. As Long As I Live
11. Lobo Bobo
12. No Moon At All
13. Midnight Sun
14. Give Me The Simple Life
15. How Do You Say Auf Wiedersehen
Mariëlle Koeman (vocal)
Jos van Beest (piano)
Hans Mantel (bass)
Gijs Dijkhuizen (drums) (maybe percussion on 11, 13)
*special guest:
Martien Oster (electric guitar on 03, 04, 11, 12, 13)
2025年録音
レーベル:
澤野工房
在庫有り
国内盤デジパック仕様CD
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