★スウィンギンな歌声が日常に彩を添える。
花を贈られたような、幸せな気持ちになる1枚。
★ジャズを歌う、その想いを届けるということは、花を生けたり贈ったりすることに似ている。オランダのマリエル・コーマンは聴き手の心に華を添えるシンガーだ。彼女はいつもその曲の大切な想いに寄り添い、潔く儚く、たゆまぬ心を込める。
★前作から3年、今作の『Natural』は軽やかなスウィングにあふれる15の花束。リズムセクションのリードを執るのはもちろん、マリエルの最愛の夫であるヨス・ヴァン・ビースト(p)で、今回はピアノ+ギター+ベースというドラムレスのトリオ編成を採用。コロコロと粒のようなリズムワークが、全体に明るい印象を与える。
★まずボッサのリズムとスウィング感覚が溶け込む「’S Wonderful」で幕を開け、続く「I Hear Music」では、チャーミングな歌声と軽い4ビートが美味しい“コーヒージャズ”を堪能。ブロッサム・ディアリーで有名な「Plus je t'embrasse」はフレンチのエスプリが効いた花のよう。この甘く香るラヴソングは、小粋なリズムセクションによって更にブラッシュアップされ、気品の中にあるマリエルのチャーミングな一面を見事に引き出している。また今回は、ビースト夫妻のご子息、ヨス・ヴァン・ビースト・ジュニア(ds)を2曲で起用。「East Of The Sun」の安定したブラシワークが特に素晴らしく(まさに今後が楽しみな才能!)、マリエルのおおらかな歌声と、一粒一粒の音が生きているかのようなコントラストを楽しめる。
★マリエルとヨスの音楽は、何気ない日常を温かく彩ってくれる「花」だと思う。このアルバムは花を贈るように誰かに贈りたい、幸せな1枚だ。
(Text by 小島 万奈)
1. 'S Wonderful
2. I Hear Music
3. Little Did I Dream
4. Try Your Wings
5. Chegade Saudade
6. Orange Colored Sky #
7. Plus je t'embrasse
8. Close Your Eyes
9. Solitary Moon
10. The Gift
11. Pick Yourself Up
12. Young at Heart
13. Every Time We Say Goodbye
14. East of the Sun (and West of the Moon) #
15. Here's to Life
MariëlleKoeman (Vocal)
Jos van Beest (piano)
JoostZoeteman (guitar)
Evert J. Woud (bass)
Special guest
Jos van Beestjr.(drums #6,14)
2015年 録音
在庫有り
デジパック仕様CD
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