★夭逝した現代ハード・バップ・トランペットの大人気トップ・スター:ロイ・ハーグローヴ(1969年米テキサス州ウェーコ生まれ、2018年ニューヨークで死去)の、これは、その絶頂期=2000年にスイスのベルンで催されたベルン・ジャズ・フェスティヴァルに、ラリー・ウィリス(p)も参加したアルト入りのクインテットを率いて出演した折のステージの模様を収めた、未発表ライヴ音源の初ディスク化。
★シャープでキレと張りのある、破裂力全開で速射砲撃的にダイナミズムを爆発させるトランペットの烈々咆哮が、聴く者を清々しいまでに圧倒してくれる凛々しく雄々しいスカッとした華を成し、これをモーダル・アグレッシヴに追い上げてくる絞りの利いた熱いアルトや、泰然の構えでマイペースに哀愁やエモーションを活写するコク深いピアノ、らの活躍もテイスティーに際立った、またベース&ドラムの精確巧緻にしてさりげなく入り組んだ遊撃性ある突き上げバックアップも奏効、無双のノリと迫真スリルの坩堝たる2管ハード・バップの理想的見本のような音世界がイキイキと立ち現れ、理屈抜きで大いに昂揚できる会心打内容。
★美しく親しみやすいメロディーの端麗さと安定律動的に大きく揺れ躍るノリのよさ、を変らず主眼とした、伝統志向のブルース・フィーリングやバップ・スピリットも潤沢に有する"バトル型娯楽活劇路線の鑑"然とした真っ向勝負の躍動的熱演、が嬉々溌溂げかつ精悍軒昂に推し進められてゆき、密なチームワークとおおらかな開放感〜風抜けのよさを併せ持ったメロディアスこの上なしの道程が続く中で、ハーグローヴ始め銘々のひたすら「大きく歌い大きくスイングする」ことに徹した人情肌エンタテインメントの本道を突き進むソロ・リレーが、ごくシンプル・ストレートに豊饒なる盛り上がりを呈してゴキゲンだ。
★何より先ずハーグローヴ(tp)の気力も充実しきった縦横無尽なアドリブ・アクションのキレ具合、その絶好調ぶり、加えて音一つ一つに宿る華やかで超おいしいスター性が全ての他者を霞ませるほどの傑出した一強の態を示していて圧巻で、アーシー&ソウルフルなちょっとファンク寄りのアービー(as)や、唯独り別格のポジションでモーダルとファンキーの間を悠々と行き来するウィリス(p)、らの奮戦も光るものの、ひとたびハーグローヴが姿を現してピュッと音を出すとすっかり天下無敵状態になる、辺りが殊の外痛快。純然たる"黒人音楽"としてのハード・バップ・ジャズの醍醐味を心行くまで満喫できる稀有な逸品。
1. Stranded
2. Depth
3. Never Let Me Go
4. Caryisms
5. Circus
Roy Hargrove (trumpet) (flugelhorn on 3) (※2のごく一部でHargroveの吹く音色があたかもflugelhornの如く聞こえてくる箇所もあるが、その後ほぼ切れ目なくすぐに典型的なtrumpetの音色へ変わったりもするので、瞬時の持ち替えという可能性もあるものの実際のところは不明)
Sherman Irby (alto saxophone)
Larry Willis (piano)
Gerald Cannon (bass)
Willie Jones III (drums)
2000年Bern Jazz Festival(スイス-ベルン)でのライヴ録音
2026年作品
レーベル:
Time Traveler Recordings
在庫有り
輸入盤デジパック仕様CD
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