★米ロサンジェルスを拠点に活動し、以前自主レーベルから1作品出していた新世代正統派ドラムの実力者:マルチェロ・カレッリの、今回はボブ・ミンツァー(ts)をフィーチュアしたカルテット(6曲)、またはミンツァー抜きのピアノ・トリオ(4曲)(ピアノはラッセル・フェランテ)による自作曲中心のセカンド・アルバム。
★歯切れよく弾み躍るドラムの腰の据わった猛烈スイングぶりにガッチリ支えられ、フレッシュ・スリリングに煽られながら、豪快剛健にして半脱力的スムース感漂うメロディック・テナー吹鳴やモーダル・ブルージーな重厚感あるピアノの躍動、が骨太かつテイスティーにこってり濃い見せ場を堂々たる貫禄で飾ってゆく、全編現代ハード・バップの正統らしい人情肌娯楽活劇の理想形を示したシンプル・ストレートな進撃が続いて、スカッとした昂揚気分を満喫させてくれるイキのいい会心打内容。
★歌心とスイング感に潔くポイントを絞り、ブルース・フィーリングやバップ・スピリット、モード由来の熱情性も潤沢に有した、あくまで音の輪郭は鮮明で開放感あるおおらかなリリカル・アクション調のハード・バピッシュ演奏が嬉々溌溂と推し進められてゆき、どこまでも分かりやすく親しみやすい気さくな情味が随所に滲む道程の中、カレッリ(ds)の抜群のリズム感と唄性をその一音一音に全開させたダイナミズム攻勢や、Gurrola(b)の粘っこくスピリチュアルにウネり波打つ雄弁技も頼もしげに際立ちながら、前面で花形役を担うミンツァー(ts)やフェランテ(p)の活躍がゆとりと品格そして旨味をもって隆盛ぶり・豊作ぶりを呈し、全くゴキゲンだ。
★ミンツァー(ts)の、リキみを解いた自然体調子を保って流れるようにスイスイ歌う、メロディー・センス卓抜でありつつ巧まず逞しき"雄渾のタフガイ"的音キャラを図太く露呈したパワフル咆哮のあり様、その一客演ソロイストに単純に徹しきった愉しげな勇姿がバッチリ超芳醇に映えており、かたやフェランテ(p)の、ハンコックの流れを汲んだモード系力学指向の基本スタイル(→スマートさが身上である)を変らず拠り所とし、そこへよりオールド・ファッションなファンキー・バップの要素も細かに盛り込んでゆく抑えの利いた敏活プレイがまた、堅実にして粋渋吟醸感溢れる妙味を揮っていて秀逸。
01. Ahead Of The Curve
02. Navigating The Maze (p-b-ds trio)
03. Parting Ways
04. Recorda Me
05. Wanna Bounce? (p-b-ds trio)
06. Play It Cool
07. I Can See The Glimmer (p-b-ds trio)
08. Noodles And Potatoes
09. You're Not Alone (p-b-ds trio)
10. First Impressions
Bob Mintzer (tenor saxophone except 02, 05, 07, 09)
Russell Ferrante (piano)
Mike Gurrola (bass)
Marcello Carelli (drums)
2024年2月2&3日米カリフォルニア州グレンデール(Glendale)のTritone Studios録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
在庫有り
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD