★以前アマーロ・フレイタス(p,elp)のアルバムやミルトン・ナシメント&エスペランサ・スポルディング共演の近作などに名を連ねて多彩に個性を揮っていた他、自己名義でImpulse!から既に2作品を出している、英国ジャズ・シーン最尖端を突っ走る進歩派・未来派で鳴らしたマルチリード奏者にしてエレクトロニックな電脳メカの使い手:シャバカ(シャバカ・ハッチングス)(1984年英国のロンドン生まれ)の、ソロ名義での3作目となる本盤は、多重録音を徹底的に使った"超分身の術"的なソロ演奏集。日本盤のみボーナス・トラック1曲追加収録。
★アンビエント・タイプの電子音響やパーカッション鳴動、打ち込みサウンドなどが幻夢の如く空間に広がってゆく中で、ジャズ色濃いスピリチュアルなサックス・ブロウやちょっとライトなポップさを含んだフルート吹鳴、魅惑の低音で唸るポエトリー・リーディングとラップの掛け合わせ的ヴォイスの呟き語り、といった"生(ナマ)"に近い妙演の数々が中々グルーヴィーに座を華やがせる、トータルとしてはエレクトロニカ系のフューチャー・ジャズであり同時にまたスピリチュアル・ジャズの系譜も汲んでいるあくまで抒情指向の行き方が進められて、ノリよく心地よくそのトリップ世界に浸らせ、感動させてくれる手の込んだ快投内容。
★サイバーでエレクトロニックな音場環境がイリュージョナルに形作られつつ、そこに繰り出される管楽器をメインとしたソロ・プレイはとことん歌心を大切にしたメロディアスな情緒型のものであり、バップ・スピリットに富んだ野太いテナー咆哮やラテン〜ワールド筋の匂いを湛えたエキゾティックな民俗歌謡的バンブー・フルートの囀りなどがしっかりテイスティーに映えたりと、枠組としての半ばSF的な未来派の宇宙空間ムード(もしくはメディテイティヴ・テイスト)とアドリブにおける伝統志向のジャズらしさとが上手いバランスで鬩ぎ合い、また融和していて、一聴不思議げではあるが結構分かりやすく旨味溢れる道程を最後まで清新な気分のまま好テンポで愉しませる。
★多種多様な楽器が駆使されていて次から次への再起動気分〜リフレッシュ気分は絶えないが、中でも、テナーサックスでのハード・バップとスピリチュアル・ジャズのオーソドキシーを遵守した粋で渋い吹奏術や、多重録音でアンサンブルとして奏でられる重層的フルート群のバピッシュ・ラテンとポップス・インストの中間ぐらいのコンテンポラリーな調べ、辺りを聴くにつけ、外観はイマドキ風だが根は揺るぎない真っ当ジャズマン然たるコク旨感に貫かれており、エンタテインメントの理念にも適いその説得力は十二分だ。
01. A Future Untold
02. Those Of The Sky
03. Go Astray
04. Step Lightly
05. Call The Power
06. Dance In Praise
07. Ol' Time African Gods
08. Marwa The Mountain
09. Light The Way
10. Stand Firm
11. Space Time
12. Eyes Lowered
13. Those Of The Sea*bonus track
Shabaka Hutchings (tenor saxophone, flute, bamboo flute, clarinet, 尺八, electronics, voice, percussion, marimba?, 他)
2026年作品
レーベル:
BeatInk (Beat Records)
在庫有り
国内盤・見開き紙ジャケット仕様CD
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