★ここ数年来ジョシュア・レッドマンの諸作やブリア・スコンバーグ、アドニス・ローズらの近作などにゲスト参加して華を添えていた新進女性歌手:ガブリエル・カヴァッサ(1994年米カリフォルニア州サンディエゴ郡エスコンディード生まれのイタリア系アメリカ人)の、Blue Noteからのメジャー・デビュー・アルバムが登場。バックは、ジェフ・パーカー(g)、ラリー・グレナディア(b)、ブライアン・ブレイド(ds)のトリオを基本に、ジョシュア・レッドマン(ts)とポール・コーニッシュ(p)も一部客演する趣向。
★中音域から自在に高低を往来する、しなやかな張りとキレを有し落ち着いた重心の据わり様・安定性を湛えた清澄ヴォイスが、しっとりと優しく細やかに囁きかけるスウィート・センシティヴな柔和スタイルを基調とし、時折伸張力を強めたプチ・シャウト風や半ハミング(orスキャット)的グルーヴィー節も織り交ぜてメリハリをつける、トータルとしてはあくまで抒情指向・寛ぎ指向のテンダネス溢れる自然体演唱をただ呼吸するかのように綴って、何とも瑞々しく可憐な、ちょっと儚げでもあるそよ風の如き魅力を揮い、メロウ・ムーディーなギターを始めとするインスト陣の芸達者でデリカシーに富むバックアップもピタリと鮮やかにツボにハマりきった、全体を通じ殊の外居心地のいい憩いのラウンジ空間に夢見気分で浸れる白眉の極楽内容。
★インティメイトな和気や人肌の温もりが変らず底流するアメリカン小唄派寛ぎ路線の系譜を汲む一方で、よりコンテンポラリーなポップスっぽさやSSW風テイストも絶妙に醸し出される、バランスのとれた今日のジャズ・ヴォーカルの正統らしいどこまでもリラクシングな行き方が続き、パーカー(elg)のニュアンス濃やかでウィットを感じさせるマイルド弾奏や、グレナディア(b)のハートウォーミング&スピリチュアルなウネり、ブレイド(ds)の一打一音に全く無駄がなく誠心と"歌"の込められたヒット技、がヴォーカルに呼応しつつ三位一体の見事なグルーヴを実に端正に演出する中で、カヴァッサ(vo)の、機微も細かく切々とエモーションを活写する感じの巧まず作法に適ったナチュラルな歌い回しが、潤いを含んで穏やかにそよ吹くかのように透明感ある映えを見せて素敵だ。
→歌詞の情緒とメロディーの美を何より大切にして、独白風の語りに軽く節をつけたみたいなイメージのクール・テンダーなウィスパリング唱法を最得意としたその、白人系寛ぎ抒情派の流れを正統に継承するちょっと"消え入る"ムードのまろやかかつ爽やかな霞の如き歌声のあり様は、誠に幽玄深く蠱惑的でさえある。ムーディーさが身上の道程展開の中にリアル・ジャズならではの迫真スリルを呼び込むレッドマン(ts)の客演も好アクセント。
Side A:
1. Heaven Sighs (elg-ds/counting voice)
2. Raindrops Keep Falling On My Head
3. Prisoner Of Love
4. Bossy Nova
5. To Say Goodbye
6. Angelo
Side B:
1. Be My Love (vo & elg duo)
2. Diavola
3. Could It Be Magic
4. La Notte Dell'Addio (vo & p duo)
Gabrielle Cavassa ガブリエル・カヴァッサ (vocal except A-1)
Jeff Parker ジェフ・パーカー (electric guitar except B-4) (acoustic guitar on A-4)
Larry Grenadier ラリー・グレナディア (bass except A-1, B-1, B-4)
Brian Blade ブライアン・ブレイド (drums except B-1, B-4) (possibly counting voice on A-1)
guests:
Joshua Redman ジョシュア・レッドマン (tenor saxophone on A-2, B-3)
Paul Cornish ポール・コーニッシュ (piano on B-2, B-3, B-4)
ドリームランド・レコーディング・スタジオ(米ニューヨーク州Hurley)録音
2026年アメリカ作品
レーベル:
Blue Note
在庫有り
数量限定生産・輸入盤LP