これは中村誠一が辿り着いたひとつの理想。鳥のように自由に飛翔するサックスが、聴く者を開放し、新たな世界へと導く。
一音一音に全身全霊を傾けていた山下洋輔トリオ時代。閃きや衝動を旋律に織り込んで力強くブロウした1970年代初頭。そして中村誠一は、本作でさらなる変貌を遂げる。自身で「みなで空間を共有し、鳥のように自由に飛翔する感じ。それが理想ですね」と語っているように、音の重なりや間が空間をふくよかに膨らませ、そのなかを中村のサックスが闊達に駆け抜ける。作家、平井和正の『ウルフガイ』シリーズにインスパイアされた、伸びやかで爽快な「Wolf’s Theme」、ゆったりとしたグルーヴに郷愁に満ちた旋律が映える「Harappa」、スタンダードを丁寧かつ艶やかに紡いだ「Body & Soul」や「I Can’t Get Started」、躍動感と開放感が気持ち良い「Viva Giappone」など、ここでは中村の理想が見事に具現化されている。大徳俊幸、高瀬アキ、古澤良治郎らが参加。(Text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
Side A
1. Wolf's Theme
2. Harappa
3. Body And Soul
Side B
1. Doxie
2. Chattanooga Choo-Choo
3. I Can't Get Started
4. Viva Giappone
岡本昌三 (b)
大徳俊幸 (clavinet B4,el-p A1, B2 syn A1)
岸田恵士 (ds A3, B1)
古澤良治郎 (ds A1, A2, B2〜B4)
高瀬 アキ (piano A2, B4,el-p A3, B1)
中村誠一 (ts A2, A3, B2〜B4 ss A1, B1)
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国内限定盤LP
2026年3月25日発売予定 受注締切 : 2026年1月15日