★いずれも首都圏のライヴ・シーンで活動している、マリンバ&ヴィブラフォンの山田あずさ(北海道富良野市生まれ)(リーダー格か)、トランペットの堀京太郎(1991年生まれ)(神奈川県出身)、バスクラリネット&テナーサックスの上運天淳市(1977年生まれ)(沖縄県那覇市出身)、という突出個性の三人(各々パーカッションやコンピューター等を併用)が組んだ変則トリオ:ICI=アイシーアイによるアルバム第1作。曲はメンバー持ち寄りのオリジナル群。
★クール&パーカッシヴなヴィブラフォンまたはマリンバの鳴動やパーカッションの舞い躍り、妖しくも端正な電子音響、などが空間に広がってゆく中で、バップのテイスト濃いトランペット吹鳴や、モード・ジャズとアンビエント・ミュージックと現代クラシックを織り交ぜつつ精巧に唸るバスクラまたはテナーのメロディック・ブロウ、そしてある種のエキゾティズムを孕んだマリンバもしくはヴィブラフォンのブルージー・プレイ、が味わい豊かに見せ場を成した、全体を通じその色彩感と奥行きの深さにグイグイ引き込まれ取り込まれる思いのファンタジック編。
★カタギのジャズとは一線を画すものの一貫して歌心に溢れた抒情指向の、メディテイティヴ&ドリーミーなトリップ感に富む落ち着いたメロディアス演奏がゆったりと展開され、大凡のところバラード的コンセプトを基調としたスローリーな、しかし1曲1曲は程好く簡潔にまとめられた快テンポで進む道程の中、銘々の、曲想を重んじつつも腰を据えて伸びやかに個性を揮ったアドリブ妙技の数々が、中々"テイスティー・グルーヴィー"に映えを、豊作ぶりを見せて瑞々しく清やかに感動させられる。
★山田(marimba,vib他)の、全体の仕切り役としてちょっと不思議でミステリアスな夢幻ムードの醸成に粛々と勤しむ反面、B・ハッチャーソンやG・バートン辺りにも通じる理知的でスマートなモーダル・ブルース・タイプの語り口も随所に盛り込んで見せる、何げに縦横無尽の活躍が爽涼さをもって魅力を際立たせており、また堀(tp他)の、3人の中では最もマイペースさを感じさせる根はハード・バッパー気質のよく唄うビタースウィートなリリカル・アクション咆哮も芳醇に冴え渡り、加えて上運天(bcl,ts他)の、バスクラでは特異点を示しテナーでは真っ当の道を行く、総じて所謂スピリチュアル・ジャズの流れを汲んだ変幻自在のブローイングも、(何より先ず曲想に忠実であらんとするその演奏姿勢も手伝って)しっかりと曲に寄り添った本作の要を担っていたりと、このアンビエント・バップとも云うべき音景色の中を流麗に駆け巡るソロの聴きどころは実に豊富だ。
01. Fanfaria
02. Quiet Room
03. ICI
04. Shangri-la Suite
05. 薄月
06. 朝鈴
07. Old Cork
08. Dance
09. ICI_II
10. Cure
11. 山笑う
山田 あずさ Azusa Yamada (marimba on 03, 05, 07, 08, 11) (vibraphone on 01, 02, 04, 06, 09, 10) (percussion possibly on 03, 08, 09, 11)
堀 京太郎 Kyotaro Hori (trumpet except 01) (laptop on 01, 03, 07, 08, 09, 10) (throat singing on 08) (percussion possibly on 01)
上運天 淳市 Junichi Kamiunten (bass clarinet on 02, 03, 04, 05, 06, 07, 08, 10, 11) (tenor saxophone on 01, 09) (throat singing on 08) (whistle on 07) (maybe whistle on 03?)
2025年10月14日 東京・岡本太郎記念館(東京都港区南青山)録音
レーベル:
Days of Delight
在庫有り
国内制作CD