★過去の3作品がいずれも大好評だった、オールラウンドにしてラジカルな敏腕ベーシスト:須川崇志(1982年群馬県伊勢崎市・旧境町生まれ)率いる林正樹-p&石若駿-dsとの急進派人気ピアノ・トリオ:「Banksia Trio;バンクシア・トリオ」(2017年結成)の、初のライヴ・アルバム(2022年から2023年にかけて録られたブルーノート東京始め計3ヵ所でのライヴ音源をまとめたもの)が登場。
★バネを効かせて弾むようにウネり波打つベースのコク深く肉太い鳴動も絶えずスピリチュアル・スウィンギンに圧倒的存在感(=黒幕オーラ)を放つ中で、端正でいてキレのある骨芯の据わった繊細タッチ・ピアノの、妖しい心象風景の中をそぞろに彷徨うような散文的ポエティック即興であったり、より分かりやすいマイルド・ロマンティックな抒情指向のテーマ性とリズミカルな律動型グルーヴ感に則っての哀愁香り立つ節回しであったりの、根は詩人気質の翳りあるメロディック・プレイが独特の涼感並びにダイナミズムを伴って爽やかかつグルーヴィーな華を成し、摺り足っぽくジワリジワリと躙り寄ってきたかと思えばドシャバシャけたたましく体当たり風にぶつかってもくる俊敏ドラムや、弓弾きも上手く織り交ぜながら空間の重底部からドスっぽく迫ってくるベース、らもピアノと対等に濃い魅力を際立たせた、途中アブストラクトさを強めたフリー・スタイルのハードなやりとりとかもあって適宜揺さぶりを掛けるも、基本はリリカル・タイプのクール・スマートでちょっとミステリアスな情緒的行き方が展開して、ノリよくフレッシュに感動させる冴えた敢闘内容。
★トライアングルな三つ巴のリアル・インタープレイ傾向がほぼ貫かれながら、歌心と抽象性(或いは異形さ)の間を烈しく往来するあくまでダイナミックなノリを欠かさない抒情派アクション調の躍動的快演が進められ、機略縦横に遊撃してくる須川(b)&石若(ds)のゲリラ攻勢を掻い潜り(もしくはこれに触発され)つつ、花形主役の座を腰を据えて死守する林(p)の激烈だが浪漫を決して失わぬアドリブ妙技が、瑞々しい煌めきを見せて絶品だ。
→ポール・ブレイをもう少し分かりやすくしたようなフリー寄りのダークなインプロヴァイザーぶりも堂々たるものだが、やはりその本領はクーリッシュでテンダーな生鮮度抜群のバラード的ロマンティシズム表現に代表される耽美派肌のメロディスト面・リリシスト面にこそあり、と思わせる、そうしたニュアンスに富んだメランコリック・フレージングはどこか儚げでもあり格別。
1. Drizzling Rain (Masabumi Kikuchi)
2. Rain (Takashi Sugawa)
3. MASKS (Takashi Sugawa)
4. Stefano (Takashi Sugawa)
5. Doppio Movimento (Masaki Hayashi)
6. Yoshi (Shun Ishiwaka)
7. Gui (Ryuichi Sakamoto)
林 正樹 Masaki Hayashi (piano)
須川 崇志 Takashi Sugawa (bass)
石若 駿 Shun Ishiwaka (drums)
2022年〜2023年
ブルーノート東京/Blue Note Tokyo(#1-#3)、
目黒パーシモンホール小ホール/Meguro Persimmon Hall(#4)、
金沢21世紀美術館シアター21/21st Century Museum of Contemporary(#5-#7)でのライヴ録音
レーベル:TSGW Records (須川崇志の
自主レーベル)
御予約商品
2025年10月1日発売予定 受注締切:2025年9月7日
国内制作CD