★ここ近年も様々な形態、様々なプロジェクトで国際的・多角的な八面六臂の大活躍を続けている、情魂肌フリー派トランペットの重鎮:沖至(1941年兵庫県須磨生まれ、2020年8月25日フランス パリで死去)の、本作は、田村・藤井夫妻を始め強力な個性派精鋭陣を結集した、総勢7人のスペシャル・グループによるライヴ実況編(330枚の限定プレス盤 シリアルナンバー入り)、2005年11月26日新宿ピットインでの録音。
★妖しく研ぎ澄まされたハード&ダークな抽象美学と、コクの利いた熱く猛々しいスピリチュアリティ、が細密に混在する、腰の据わった長尺の大敢闘トラックが連続して聴く者を超パワフルに昂揚させてくれる、濃厚かつ壮快な感動編である。
★場面によって編成規模(〜楽器の組み合わせ)にも次々と細かく変化がつけられて、色彩やスケール感、トータルな音響イメージがフレキシブルに推移しつつ、大枠的にはコンポジション演奏らしくドラマティックな(大河ストーリー風だったりとか)筋立て〜起承転結的な構成をキッチリ有した、そして興趣のポイントは迫真の自由即興バトル大会に絞り込まれた、硬派フリー・ジャズの語法・形式を基本とする奔放でエネルギッシュ&ハイ・テンションな奮戦が鮮烈に展開してゆき、道中、ストレートアヘッドなハード・バップ・スタイルのブルース・セッション風や、ムードたっぷりの哀愁ボサ・バラード、或いはまた抽象度を強化した冷厳でドライな実験的・雑色的ノイジー・インプロの小競り合い、などといった結構大幅な路線転回も好タイミングで仕込まれ、飽きさせない。
★主役トランペットの、抜き身の刃の如くちょっとヤバめな尖り感〜シャープネスと、濃く重みのある暗黒的な翳り感、に満ちたトーンでの、緩急心得た軒昂かつ芳醇なイキのよさ抜群の多角的大熱演、を始め、ソロやインタープレイの充実した見せ場が連綿と続く好品。
1. In Out イン・アウト (沖至)
2. The Line Of The Heart ザ・ライン・オブ・ザ・ハート (藤井郷子)
3. Soul Eyes ソウル・アイズ (Mal Waldron)
4. To Live 生きる (沖至)
沖 至 Itaru Oki(tp,flh,etc)
田村 夏樹 Natsuki Tamura(tp,etc)
登 敬三 Keizo Nobori(ts,etc)
太田 惠資 Keisuke Ota(vln,voice)
藤井 郷子 Satoko Fujii(p)
立花 泰彦 Yasuhiko Tachibana(b)
小山 彰太 Shota Koyama(ds)
Recorded live at Shinjuku Pit Inn, 26 November 2005
在庫有り
国内自主製作盤CD