前作の『Viewpoint』の帯ライナーも書かせていただきましたが、その際に「本作を心ゆくまで堪能しながら次回作をゆっくりと待つことにしましょう。」と締めくくった記憶があります。あれから2年、待望の新作がリリースです。前作と同じジョー・ファンズワース(ds)とジェレミー・ブラウン(bass)とタッグを組み、演奏するのはガーシュウィンのナンバー。ガーシュウィンが生み出した楽曲の魅力はその洗練されたメロディーと歌詞、ガーシュウィン・カラーを保ちつつ歌い演奏するミュージシャンの個性や表現を受け入れることができる懐の深さではないでしょうか。ジョージ・ガーシュウィンは20世紀で最も記憶に残る管弦楽曲をいくつか生み出しましたが、その源泉は言うまでもなくピアノであると言えるでしょう。作曲家自身がパーティーで女性を傍らに置きながら演奏する、あのスタイルです。これらの曲は時代の変化という試練を乗り越え多くのミュージシャンに新たな側面を見つけてもらいながら、長い間愛されてきました。本作で試みたガブリエル・ラッチン・トリオのアレンジは、原曲が持つ構成の素晴らしさをさらに際立たせることに成功したと言えるでしょう。そして「スタンダードを演奏し続けるってどうなの?」と疑問を持つ人々に対して、世界一流のミュージシャンが演奏すればおなじみの曲から新しくエキサイティングなものが生まれると同時に、今日のジャズの多くが築かれた源流を思い起こさせることができるという点を証明してみせたその姿勢に、心からの拍手を送りたいと思います。 (中村飛鳥)
SIDE A
A1.Summertime
A2.How Long Has This Been Going On?
A3.It Ain't Necessarily So
A4.'S Wonderful
SIDE B
B1.They All Laughed
B2.The Man I Love
B3.Someone to Watch Over Me
B4.Embraceable You
Gabriel Latchin - piano
Joe Farnsworth - drums
Jeremy Brown - bass
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輸入盤LP
入荷予定時期 : 2025年7月下旬 受注締切 :2025年6月24日
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