★2008イタリア・ジャズ界が誇るベテラン・ピアニスト、レナート・セラーニのピアノ・トリオによるスタンダード集。『奇をてらわない。それでいてピリッとしたピアノ・トリオはこうあるべきだというトリオ。ピアノ・トリオ好きが喜ぶピアノ・トリオ。長持ちするピアノ・トリオ。聴き終った後、撫でたくなるピアノ・トリオ。』(寺島靖国著 JAZZ 偏愛主義掲載)
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★イタリアのベテランR・セラーニの、トリオによるスタンダード集。2003年1月ミラノ録音。歌心&リラクゼーションの徹底尊守された、抑制とウィットある粋な渋筋の抒情派演奏が軽妙に紡がれてゆく滋味内容である。陰影味濃くも温かい、落ち着いたインティメイトな夜想的和み気分が音空間を煙霧の如く包む中、ちょっと達観したような燻し銀風の恬淡さを含んだ、(セラーニ流寛ぎ歌物路線の定番然たる)優しげで小気味のいい行き方が続き、静穏なモノトーン調子の、それでいてキレのあるスイング感もキッチリ醸成された端麗滑脱な道程(リズム・パターンは様々)の上で、セラーニの、力は八分目のサラリとしたナチュラルなリリカル・バップ・プレイが瀟洒に、そして懐深げに美味しい見せ場を飾ってゆく。
★バップ&ブルースの基本イディオムに沿って渋い旨味と硬派なグルーヴ感を体現しつつ、ここぞのクライマックスでは音数を絞って間を活かしたクール&パーカッシヴなストイックめの重層的コード・プレイで中々質素に余情を表してゆく、といったような、ビタースウィート風味の簡潔な語り口にさすが得難い円熟味が揮われる他、小唄派の王道らしいハートウォームでカラッとした旨口のファンキー・ブルース節や、エヴァンス系統の耽美的かつ躍動的なイキのいいロマンティック・スインギー技、にも安定して芳醇な冴えが示された、余裕と風格そして含蓄ある淡麗な風流物の逸品。
1. All Of Me
2. Lover Man
3. I Can't Give You
4. These Foolish Things
5. Autumn Leaves
6. Out Of Nowhere
7. Body And Soul
8. It Could Happen To You
9. Georgia On My Mind
10. I Love You
11. There's No Greater Love
12. My Funny Valentine
13. Falling In Love With Love
14. My Foolish Heart
Renato Sellani (piano)
Massimo Moriconi (bass)
Massimo Manzi (drums)
2003年1月 ミラノ録音
在庫有り
CD
