★80歳を迎えるソウル・テナーの大御所:ヒューストン・パーソン(1934年サウスカロライナ州フローレンスまたはニューベリー生まれ)の、今回は、ヴィブラフォンのスティーヴ・ネルソンをフィーチュアしたクインテットによるスタンダード中心の一編。録音はルディ・ヴァン・ゲルダー。
★ふくよかでいて強堅な締まりを感じさせるところもある、中々表情の細かい旨味濃厚なテナー・トーンによる、歌謡性と吟醸ソウルに満ち満ちたスムース・ドライヴィングなリラックス・ブロウ、がスッキリとおおらかに映え、クール・ブルージーかつ半パーカッシヴな滑脱さ抜群のヴィブラフォンや、バップ・テイスト溢れる粗目でスクエアーなピアノ、らもおいしい彩りを成した、壮快にしてホッと安心できるハートウォーミングな豊穣内容。
★テンポのある快活げな趣向と、ゆったりしたスローなバラードやブルース、がバランスよく配列された、徹底してメロディアスでスインギーな「歌物派の王道」を行く寛ぎセッションが伸び伸びと決め込まれ、ヴィブラフォンの響きを活かした清涼味たっぷりのアンサンブル・サウンドにも爽やかに酔わせつつ、解放感満点ながら一定の簡潔さもしっかり備わった充実のソロ・リレーを、ひたすら超快適に楽しませてくれる。とりわけパーソンの、ソフトでまろやかな脱力感(や流線美っぽさ)と、キリッと気迫のこもったパンチの利かせ様、の兼ね合いも絶妙の、弾性豊かで包容力に富んだ醸熟のソウルフル節!、が圧倒的に素晴らしく、またネルソンの、機動力自在で理知的なイメージを抱かせる小気味のいい立ち働きも好インパクト。豊潤なテナー、ドライなピアノ、シャープなドラムなど、メリハリのキッチリつけられたヴァン・ゲルダー録音も◎。
1. My Funny Valentine
2. Gone Again
3. You're Nearer
4. Minton's
5. Bewitched
6. Only Trust Your Heart
7. They All Laughed
8. Try A Little Tenderness
9. The Song Has Ended
10. You Can't Lose With The Blues
Houston Person(ts)
Steve Nelson(vib)
Lafayette Harris(p)
Ray Drummond(b)
Lewis Nash(ds)
2014年アメリカ作品
レーベル：
HighNote
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CD
