クラリネットからテナーサックスへ転向して当初はブルースを演奏し、1950年代末期から60年代初頭にかけては米ウエストコースト・シーンでデューイ・レッドマンやフィリー・ジョー・ジョーンズらとの手合わせを経験、62年にニューヨークへ拠点を移し、サン・ラとの共演を経て1964年にESP-Diskより初リーダー作を発表、翌年に参加したジョン・コルトレーンのグループで一躍頭角を現し、コルトレーンの死後はその後継者として、スピリチュアル・テナーの第一人者として長きに渡り濃密なキャリアを完うした名匠:ファラオ・サンダース(1940年米アーカンソー州リトル・ロック生まれ、2022年カリフォルニア州ロサンジェルスで死去)の、ジョン・ヒックス(p)、カーティス・ランディ(b)、イドリス・ムハンマド(ds)とのカルテットによる、1980年6月旧西ドイツ-ハンブルクのライヴスポット:ファブリークでの公演の模様を捉えた未発表ライヴ音源が、Jazzlineのファブリーク未発表ライヴ発掘シリーズの一つとして初ディスク化。骨太く肉厚でありながらキュキュッと引き締まった隆々トーンのテナーが、時折ややフリーキーに音をヒズませてその熱情の激烈さを顕しつつ、ひたすら雄々しく威風堂々と咆哮するモーダル・スピリチュアル・プレイ、をエネルギッシュ&ダイナミックに繰り出してヒロイックな華を成し、これまたアグレッシヴに攻め立ててくるピアノの猛襲以下、リズム隊の極めてハイテンションなバックアップもごっつり頼もしげに魅力を際立たせた、ほぼ全編血沸き肉躍るアツい敢闘の連続でスカッと壮快に昂揚させられる、胸のすく会心打内容。歌心とスイング感とブルース・フィーリングそしてブラック・スピリチュアリティを変らずキモとした、基本はごくストレートアヘッドなモード系バピッシュ・ジャズの正統らしい、重心の据わり様も全く見事な男気みなぎった確固たる驀進、がストロングに展開され、少々荒っぽく豪快に暴れ躍るヒックス(p)や勢いよくドライヴするランディ(b)、ドシャバシャと中々けたたましく捲し立て、煽り立ててくるムハンマド(ds)、らの大攻勢に上手くプッシュされ、触発される恰好で、サンダース(ts)の、屈強この上ない激動パワーがほとばしっていながら同時に泰然自若の揺るぎなさをしっかり感じさせる、気力も充実しきった精悍軒昂なるアドリブ奮戦が、滅法エキサイティングかつこってり芳醇に冴え渡って素晴らしい。→逞しきタフガイ然とエモーショナル&パッショネートに全力全霊で雄叫びを上げまくる感じの野性味溢れる吠えっぷり!、で問答無用に圧倒する一方、バラードでの一転して繊細でナイーヴなロマンティスト面をフル発揮した寛ぎ哀愁節の唄い様にもしみじみとした得難い妙味があったりと、その表情豊かで生鮮な覇気に満ちた絶好調の吹鳴は殊の外清々しく、これを豪放モーレツなる疾駆アクションで追撃してくるヒックス(p)のハジけた大熱演(ただならぬワイルドさが爆発している!結構壮絶!!!)がまたゴキゲンだったりもして、そうした、四者一丸となった悔いなき完全燃焼具合が何より爽やかなまでの興奮と感動を齎す、密度の濃い充実編に仕上がっている。
Side A:
1. You Gotta Have Freedom
Side B:
1. It's Easy To Remember
Side C:
1. Dr. Pitt
Side D:
1. The Creator Has A Masterplan
2. Greetings To Idris
Pharoah Sanders (tenor saxophone)
John Hicks (piano)
Curtis Lundy (bass)
Idris Muhammad (drums)
1980年6月6日旧西ドイツ-ハンブルクのFabrik(ファブリーク)でのライヴ録音
レーベル:
Jazzline
御予約商品
2枚組LP
入荷予定時期:2023年4月上旬 受注締切:2023年3月7日
※発注先案内の入荷時期を記載しておりますが、入荷時期は予告なく変更になる場合もございます。ご了承くださいませ。