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ホーム2021年9月REVIEW軽妙洒脱でしっかり吟醸された旨口の寛ぎファンキー・バピッシュ技が小粋に冴える伝統派娯楽指向のピアノ・トリオ会心打! CD ALVIN QUEEN TRIO アルヴィン・クイーン / NIGHT TRAIN TO COPENHAGEN
商品詳細
★スイス(ジュネーヴ)を拠点に依然旺盛な国際的活躍を続けるアメリカン黒人ドラムのヴェテラン名匠:アルヴィン・クイーン(1950年ニューヨーク市のブロンクス生まれ)の、Stuntレーベル2作目となる今回は、スウェーデンのピアニスト:カッレ・ブリックマン(1991〜)並びにデンマークのベーシスト:トビアス・デールと組んだ新トリオによる、前作に引き続きオスカー・ピーターソン・トリビュート的色合いの強い一編(一部ソロ・ピアノもあり)。

★豪快な勢いとセンシティヴなニュアンスを併せ持ったさすがの熟練さ・研磨具合を感じさせるドラムの、落ち着いた泰然たる息遣いでしかし生鮮なスリルも随所に醸しながら安定してドッシリと重心の据わった律動スイングを見せる、実に味わい深い滑脱妙技に導かれて、固く角張った芯にブレなく陰影あるストーン・タッチのピアノが、伝統的バップ・イディオムに則ったソリッド&スクエアーな殺陣の型っぽい堅牢アクション・フレーズと、小粋でアーシーなブルース節やマイルド・テンダーな哀愁&ロマンティシズム表現、を織り混ぜたごく明朗で親しみやすい人情肌のメロディック・プレイをイキイキと闊達げに紡いで、何ともシャレた、そして渋い華を軽やかに成した、全編理屈抜きで楽しくノレてホッと和めるアジな爽快内容。

★ピーターソン・トリオの精神を現代流に継承した、とも思える、抒情派ハード・バップの王道らしいダイナミック・スウィンギンな圧倒的ノリのよさや迫真力と、ブルース由来の勇み肌なソウルフルさ、加えて洒脱でセンスのいい小唄テイスト、を変らず拠り所とした、軽妙でインティメイトな寛ぎ気分の大衆娯楽的グルーヴィー快演が、一定の簡潔さや節度をもって誠にイキに、愉しげに展開され、クイーン(ds)の、一音一音にポジティヴな歓喜の宿った中々芸の細かい遊撃力ある立ち働きや、デール(b)の陽気で温かなスピリチュアリティと歯切れよく揺るぎないグルーヴ力を堅持した弾み跳ねっぷり、に頼もしく支えられ、触発されつつ、一座の花形:ブリックマン(p)の、腰を据えて伸び伸びとド真っ当に躍動し、また瀟洒にリラクゼーションやリリシズムを体現する、衒いやケレンのない直球勝負のアドリブ奮戦が極めて生鮮かつ風通しもよさげに冴え渡って、全く清々しい。

→スウェーデン人とのことだが少なくとも本作においてはそのような北欧色は殆ど感じさせず、アメリカ流ブルージー・モダン・ピアノのオーソドキシーを徹頭徹尾尊守した、ピーターソンやジーン・ハリス辺りの流れを汲むしっかりと吟醸されたダウン・トゥ・アースなファンキー色も十二分の、「躍動型寛ぎ小唄インスト」・タイプのノリノリでイナセな歌いっぷり(軽涼な玉転がし風ブロック・コード技も快調!)にこそ確固たる本領が揮われており、そうした軽みある粋な節回しはスロー・バラードにおいてもあくまで晴れ晴れとマイルド&ストレートに活かされていて、その一切ブレるところのない朗々たる、潔き伝統志向の(昔気質な)芸風のあり様には大いに魅了され、ほっこりさせられる。

01. Have You Met Miss Jones? / ジョーンズ嬢に会ったかい? (リチャード・ロジャーズ)
02. Bags Groove / バグス・グルーヴ (ミルト・ジャクソン)
03. I Got It Bad (And That Ain't Good) / アイ・ガット・イット・バッド (アンド・ザット・エイント・グッド) (デューク・エリントン)
04. Farewell Song / フェアウェル・ソング (ニルス・ラン・ドーキー) (solo piano)
05. Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado) / クワイエット・ナイツ・オヴ・クワイエット・スターズ (コルコヴァード) (アントニオ・カルロス・ジョビン)
06. The Days Of Wine And Roses / 酒とバラの日々 (ヘンリー・マンシーニ)
07. Goodbye JD / グッドバイJ.D. (オスカー・ピーターソン)
08. Tranquility In The Woods (I skovens dybe stille ro) / 深く静かな森の中で (デンマーク民謡) (solo piano)
09. D & E / D & E (ジョン・ルイス)
10. Georgia On My Mind / 我が心のジョージア (ホーギー・カーマイケル)
11. Night Train / ナイト・トレイン (ジミー・フォレスト)
12. C Jam Blues / Cジャム・ブルース (バーニー・ビガード、デューク・エリントン)
13. People / ピープル (ボブ・メリル)
14. Moten Swing / モーテン・スウィング (ベニー・モーテン)
15. Some Other Time / サム・アザー・タイム (レナード・バーンスタイン) (solo piano)

ALVIN QUEEN TRIO:
Calle Brickman (piano)
Tobias Dall (bass except 04,08,15)
Alvin Queen (drums except 04,08,15)

2021年3月22日-23日インナー・アドヴェンチャーズ・スタジオ(デンマーク)録音

レーベル:Stunt

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します

三つ折りデジパック仕様CD

軽妙洒脱でしっかり吟醸された旨口の寛ぎファンキー・バピッシュ技が小粋に冴える伝統派娯楽指向のピアノ・トリオ会心打! CD ALVIN QUEEN TRIO アルヴィン・クイーン / NIGHT TRAIN TO COPENHAGEN[STUCD 21062]

販売価格: 2,380円(税込)
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商品情報
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STUNT

☆晩年のオスカー・ピーターソンとも共演した名ドラマー、アルヴィン・クイーン!
☆Stunt第2作目となる、ピーターソン・オマージュの優良トリオ盤が誕生!

■ニューヨーク出身、現在はスイスを拠点にヨーロッパ中で活躍するベテラン・ドラマー、アルヴィン・クイーン。ケニー・ドリュー、チャールズ・トリヴァー、ホレス・シルヴァーらのミュージシャンらと共演し、晩年のオスカー・ピーターソン・トリオ、オスカー・ピーターソン・カルテットにも参加したアルヴィン・クイーンのStunt第2作は、前作(STUCD18152)に引き続きピーターソンへのオマージュ・プログラム! 選曲の殆どはオスカー・ピーターソンの代表的なアルバム1963年の『NIGHT TRAIN』と1964年の『WE GET REQUESTS』から引用されていますが、現代的で秀逸なアレンジで再構築されています。前作ではデンマークの若手プレイヤー2人とトリオを組みましたが、今作では、スウェーデンのピアニスト、カッレ・ブリックマンとデンマークのベーシスト、トビアス・デール(・ミケルセン)という2人の若くて素晴らしいミュージシャンと共演。アルヴィン・クイーンのベテランにしか出せない充実のリズムに乗せて、軽やかに爽やかに彩るピアノ、悠々と響かせるアコースティック・ベースが一体となった優良ピアノ・トリオが誕生しています。(新譜案内より)

デンマークのプロデューサー&ピアニストのニルス・ラン・ドーキーがプロデュースとレコーディングを担当。タイトルの「ナイト・トレイン・トゥ・コペンハーゲン」は、1950年代後半から、スタン・ゲッツ、オスカー・ペティフォード、デクスター・ゴードン、ベン・ウェブスター、エド・シグペンなど、多くのアメリカ人ジャズ・ミュージシャンがコペンハーゲンに移り住み、活気に満ちた豊かなジャズの歴史を創造してきたことへの敬意が表されています。

録音:2021年3月22日-23日、インナー・アドヴェンチャーズ・スタジオ(デンマーク)/プロデュース、ミキシング&マスタリング:ニルス・ラン・ドーキー