★本邦正統派モダン・ジャズ・ピアノの最高峰名手:辛島文雄(1948年大分県生まれ、2017年死去)の、本盤は、ジョージ・ムラーツ(b)&日野元彦(ds)とのトリオによる、これが辛島のサード・アルバムとなった1977年10月東京メディア・スタジオ録音のレア作品(WHYNOT原盤)、の嬉しい世界初CD化。曲は全て辛島の自作。
★歯切れよく弾むような躍動感に溢れながら折り目正しく整った風合いもある、流麗かつ精緻なクリアー・タッチのピアノが、スピーディー&ダイナミックな縦横無尽の駆け巡り様を見せてエモーショナルに昂揚を齎し、それでいて終始清々しい青嵐の気を絶やすことがない、という、情熱的であり無類に晴れやかでもある哀愁のアクティヴ・プレイをイキイキと繰り出して胸のすく華を成し、一方、ウネりと弾力感を十二分に利かせたハード・ドライヴィングな重低音ハジき技でテイスティー・グルーヴィーかつハートウォーミングに魅力を放つベースや、堅固に安定した律動的スイング感と荒れ狂う怒濤の攻撃性・野獣性そして執拗に絡みつきまとわりついてくるが如き粘着感もしくは浮遊感、を微細にミックスしつつじわりと迫るドラム、らの活躍も実に味のある彩り〜アクセントをしっかり添えた、全体を通じ硬派で凛々しくも瑞々しい開放的溌剌さ一杯の会心打内容。
★1970年代モード系ハード・バップ派ピアノ・トリオの正統然とした、精悍雄猛でキリッとしていながら程好くマイルドな歌心や粋なブルース・フィーリング、気さくな人情味が根底に確固と脈打った、ハードボイルドにして取っ付きやすい活劇エンタテインメント性充分の闊達進撃、が愉しげに展開され、辛島(p)の、キラリと光沢を放つ朝露を転がし続けるみたいなイメージの、勇ましさやタフネスとメロウ&ロマネスクな詩情や端麗美、をすんなり自然に同居させた匙加減絶妙のリリカル・アクション技が、殊の外フレッシュに冴え渡っていて全く鮮やか。
→結構音数多く「モーダル・パッショネートなのに暑苦しさは微塵もなくひたすらスッキリ爽やか」な、この時期の辛島ならではの持ち味が全編に渡って遺憾なく発揮されており、熱く激しくアグレッシヴな情動のあり様をパワフルに、力学的に活写してすこぶる軒昂なるも、その弾鳴には晴天下を吹き抜ける鮮度バツグンな清風の感触が自ずとみなぎっている、という、そうしたどこまでも初々しくスカッと胸躍る音キャラ〜アウトライン・イメージは好感度満点、説得力も絶大。ブルース・ナンバーでの、ブロック・コードを活かしたイキでイナセな吟醸的ファンキー節もこれまたナイス。
1. レヴリス Revlis
2. ティアーズ Tears
3. ランドスケープ Landscape
4. ザ・フォール The Fall
5. イン・マイ・ユージュアル・ウェイ In My Usual Way
辛島 文雄 Fumio Karashima (piano)
ジョージ・ムラーツ George Mraz (bass)
日野 元彦 Motohiko Hino (drums)
1977年10月23日東京メディア・スタジオ録音
レーベル:
Octave-Lab (Deep Jazz Reality) Solid ウルトラ・ヴァイヴ (Ultra-Vybe) (
WHYNOT原盤)
限定生産A式紙ジャケットCD / 2021年最新デジタル・リマスタリング / 新規解説付き
※期間限定価格設定商品 (2021年3月までの期間限定)
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CD