CATFISH RECORDS

★18歳の頃よりミラノでプロとして活動を始め、ほどなくSplasc(h)からリーダー作も発表(1991年)、その後、1998年にアメリカへ渡ってボストンのニューイングランド音楽院に学び、以降、幅広い人脈の中で国際的に活躍を続けながら、Groovin' High、55 Records、EmArcy等から着々と気合の入ったアルバム群を発表して高い評価と人気を得てきた、キャリア30年近くになるイタリア出身の実力派女性歌手:ロバータ(ロベルタ)・ガンバリーニ(1972年イタリアのトリノ生まれ)の、今回は、ピアノのジェブ・パットンとのデュオによる、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、の三大ジャズ・ヴォーカル・ミューズ達に捧げられた渾身の一編(※日本限定発売)。

★骨芯がしっかりしていてよく通る、張りと艶と弾性に富んだ中高音のしなやかで清澄な美声による、聴く者の胸に切々と迫るような情感濃やかかつロマンティック&ハートフルな筆致を基本としつつ、よりドスorパンチを利かせての中々コク旨でホットなブルージー小節や、自在でダイナミックな力強いグルーヴ感みなぎるスキャット技、なども細かに盛り込んで按配よくメリハリをつける、終始堂々とした風格や貫祿を呈した確固たる揺るぎないドラマティック歌唱が、フレッシュにして超芳醇なさすが熟練した魅力を泰然げに揮いきり、一方、キレのいい太くクリアーな硬質タッチのピアノの、一音一音にセンシティヴな機微〜ニュアンスを感じさせる、流麗でいて鋭敏さある吟醸的プレイも余情豊かな妙味を際立たせた、全編を通じ清新で爽やかな昂揚と感動そしてイキで渋いウマみをバッチリ満喫できる快演内容。

★テンポやリズムには適宜自然に抑揚がつけられながら、インティメイトな優しい和み感と張り詰めた凛々しい背筋の伸び具合、とを上手く兼備する生鮮味の絶えないシャッキリした道程が続き、わりかしパワフル・グルーヴィーに音を突き立ててアタックしてくるパットン(p)の、重みある躍動的バックアップに刺激され、ノセられつつ、ガンバリーニ(vo)の、腰を据えて伸びやかにエモーションを活写する緩急自在の語り口が、全くアザやかに冴え渡って壮快だ。

→テンダー&デリケートな詩情並びにメロディーを大切にした瀟洒めのリリシストらしい節回しと、微妙にヴィブラートも利かせながら声量も大きくスケールワイドに哀歓を描破する熱唱型のシャウト調、或いは更に奔放な躍動パワーを増してスピーディー&スリリングに飛び跳ね踊る器楽的リズミカル・グルーヴ表現(スキャット)、といった本格派筋のアプローチを的確に織り混ぜてひたすら瑞々しく山あり谷ありの劇的流れを創出してゆくその、トータルとしては(表向きは結構キリッと精悍毅然げではあるが)あくまで親しみやすいウォームな人情味を失うことのない芯の据わった歌声のあり様は、誠にテイスティーで説得力も満点。

1. Lady Be Good / How High The Moon
2. As Time Goes By
3. Willow Weep For Me
4. Blame It On My Youth
5. Two For The Road
6. Lullaby Of Birdland
7. It Don't Mean A Thing
8. Misty
9. I Can't Give You Anything But Love

Roberta Gambarini ロバータ・ガンバリーニ (vocal)
Jeb Patton ジェブ・パットン (piano)

2019年1月14日ニュージャージー州サウスオレンジ＝South OrangeのAlley Cat Productions録音

レーベル：55 Records

在庫有り
日本限定発売・W紙ジャケット仕様CD