★CMS諸作に人気を集めてきた正統実力派ピアニスト:細川正彦の、「ベースデュオシリーズ」の第3弾(完結編)。
●=今回は京都在住のオールラウンドな逸材:船戸博史とのコラボ。おぼろな温もりとシャープなキレを併せ持った肉太ベースが、重厚かつ表情多彩に溌剌と低音域をうねり躍りつつ、その一方、鋭角的クリアーネスに富んだ端正で艶やかなタッチのピアノが、ハキハキくっきりとメロディアス&バピッシュに哀愁を歌い上げて、実に美しく奥行き豊かな重層的ハーモニーを、そして余情深い詩的な音景色を創出してゆく、瑞々しい感動とスリルに溢れた充実内容。
★アブストラクトな硬質インプロ交感、的やりとりも所々に織り混ぜられて、ピリッとした絶妙のスパイス効果を成しながら、しかし基本はあくまで、ハートウォーミングな旋律の美やスインギーな律動的グルーヴ感を大切にした、親しみやすくノリのいい抒情的なアプローチ、が根幹となっており、両雄の、自然体でいて互いの凹凸部分にピタリとハマり合うような、息の合った情感濃やかなアドリブ対話が、何とも爽やかで含蓄ある豊作ぶりを見せる。
★船戸の、熱く濃いスピリチュアリティがワイルドに沸騰してゆく、かの如き、ダイナミックでモーダル・ブルージーなギラギラした立ち回り攻勢、が圧倒的昂揚感を齎し、また細川の、一音一音に揺るぎない確信を漲らせて毅然と歩を進める、何げにカッチリ構成された語り口の妙、もさすが懐広く◎。
1. improvisation 1
2. かなしいきもち
3. Bass Duo
4. A Time Past
5. improvisation 2
6. Voyage
7. ほんとうのことはだれもいわない
8. W
9. Piano Music
10. Harvest Moon
11. Poem
船戸 博史(bass)
細川 正彦(piano)
渕上 純子(voice on 11)
2012年 録音
レーベル:
CMS
在庫有り
国内制作CD