絵画・造形アーティストとしての顔も持ち、CIACやLeoよりの連名スモール・ユニット作品で知られるフリー・ドラマーと、晩年のレイシー(死の約1年前)がコンビを組んでの(80年代にも度々ライヴで共演していたとか)、オリヴァー・ジョンソンに捧げられたデュオ・コンサートの実況編。2003年6月モントリオール録音。レイシーの、吟遊詩人風の哀愁的詩情と奔放苛烈なアブストラクトさを自在に交錯させる、軽快で飄々とした闊歩遊泳ぶり、そして、Hewardのきめ細かに小回りを利かせた表情豊かな「スピリチュアル・アクション」風の鋭い速攻プレイ、とが、抜群の相性でスリリングかつ濃密に融け合った充実内容である。情緒性と実験色(=純粋抽象性)をバランスよく併有した、ハードかつドラマティックな即興対話がイキイキと小気味よく交わされてゆき、レイシーの、牧歌的散文スケッチ大会に伸び伸びと興じるようなマイペースさ・おおらかさと、即興の修験者のような息詰まる厳しい切迫感、の入り混じったイマジネイティヴなブローイング攻勢が、さすが瑞々しい鮮烈な輝きを放っており、一方、爆発云々よりもすばしっこい「機動的暗躍」に真価を発揮するHewardの、妖しくも熱い情念っぽさや仄かなエキゾティズムを匂わせた神出鬼没の立ち回りがまた、全く予断ならぬ(雑色的?)スリルや何とも云えぬ行間余白的スピリチュアリティを醸し出して素晴らしい。丁々発止のバトルとハートフル&グルーヴィーな協調、の兼ね合いも絶妙の、非常に味わい深い感動作。
Recessional(for Oliver Johnson)
Steve Lacy(ss)John Heward(ds,african bell,kalimba)
在庫有り