★現在ニューヨークを拠点に活動し、これまで自己名義で2作品(Armored Records)、更に自身が実質的なリーダーを務める一団:AMP Trioで3作品、のアルバム群を発表して好評を得てきた若手ピアニスト:アディソン・フライ(カンザス州ローレンス出身)の、今回は、イスラエル出身のベーシスト:タミール・シュマーリング、並びにオーストリアのベテラン・ドラマー:マリオ・ゴンツィ、と組んだ新トリオによる、スイスで吹き込まれた快編。
★キレと滑らかさが塩梅よく掛け合わされた、折り目正しいクリアー・タッチのピアノが、耽美的であり、ブルージー・テイスティーでもある、何げにメロディー・センスも抜群の中々ニュアンスに富んだドラマティックな弾奏を溌剌と紡いで、誠に清々しく爽やかな華を成し、ベース&ドラムとのピタリと息の合った当意即妙の駆け引き〜連繋プレーも、全体のグルーヴとスリルを強力に底上げした、壮快にして渋い旨味や繊細な浪漫もバッチリ備える会心打内容。★ロマンティックな奥深い詩情に溢れた唯美派っぽいバラード・コンセプトの行き方あり、ハイテンポでパワフル&ダイナミックに突撃疾走する硬派勇猛な正統的モーダル・バピッシュ熱演あり、小唄調だったりマイルド・ポップ(或いはまたフォーキー)だったりの瀟洒な歌謡感覚が冴えた躍動型寛ぎ路線もあり、の、メリハリの利いた劇的で均整ある、そして一貫して取っ付きやすい旋律美を有した娯楽性満点の行き方が続き、重厚で骨太くも小回りバツグンなベース&ドラムのツボを心得た機動的サポート、にガッチリ支えられ、煽られながら、フライ(p)の、精悍軒昂なる活気〜気迫に満ちていつつも上手い具合にリキみの抜けた、実に伸びやかなアドリブ奮戦がひたすらスッキリと胸のすくような好調ぶりを見せてゴキゲンだ。
★ヤング・フレッシュな現代感覚の投影された詩人派肌・耽美派肌のアプローチにおける瑞々しいしっとりテイスト、に心地よく酔わせる一方、「アメリカン小唄」の伝統に深く根を下ろした軽妙で粋なリラクゼーション調や、前のめりで雄々しく驀進する王道ハード・バップ大会、辺りの極めてストレートアヘッドな趣にも揺るぎない説得力があり、硬軟併せ持った明快朗々の闊歩ぶりで終始清新に楽しませてくれる。
1. No Defense
2. Uptown Getdown
3. The Ever Adapting Herd
4. Washington's Men
5. T Tune
6. Nancy With The Laughing Face
7. Come On In
8. She Moved Through The Fair
9. Coming On The Hudson (solo piano)
10. Sabor A Mi
Addison Frei (piano)
Tamir Shmerling (bass except 9)
Mario Gonzi (drums except 9)
2017年8月10-11日スイス-ヴィンタートゥールのハード・スタジオ(Hardstudios)録音
レーベル:
TCB
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