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ホーム | MODERN JAZZ 楽器別 > PIANO吟醸作CD RENE URTREGER ルネ・ユルトルジェ / TENTATIVES
商品詳細
★キャリア半世紀以上となるフランス・バップ・ピアノの巨匠ルネ・ウルトルジュ(1935年パリ生まれ)の、円熟の至芸が堪能できるソロ・ピアノによるスタンダード集。

★年季の入った「バップ・ピアノ」ならではの硬質感や彫りの深い陰影的渋味、を肝としながら、サロン・ミュージック風のエレガントな装飾性〜荘重さや、寛ぎ小唄または耽美派バラード・タイプの柔和なロマンティシズム&ウィット、も的確にブレンドされた、硬軟のバランス感覚抜群なさすが安定感ある旨口快演が小気味よく紡がれる充実内容である。

★リズムやテンポにも適宜細かに変化のつけられた、ワンポイントの寛ぎ気分を絶やさぬ自然で滑脱な邁進が続き、アレンジや構成〜キメ的文脈展開を重視したスコアー派っぽいアプローチと、徒然気ままな職人芸的アドリブ大会に伸び伸びと興じるような自由スケッチ・コーナー(?)、とが巧い加減(曲によって異なる)で交錯融和、

→1曲1曲は程好い簡潔さでこざっぱりとまとめられて、音空間には瀟洒な旨味と風流な行間余情が溢れ、飽きさせない。嬉々溌剌とストレートにパウエル技を繰り出し続ける楽しさ一杯のおおらかアクション趣向や、重厚で翳り濃くも温かな哀愁バラード、粋なファンキー・フィーリングとM・ウォルドロン似?のダークな情念っぽさがスリリングに錯綜する緩急折衷型のドラマティック熱演、等々、忘れ難い聴きどころも豊富な、軽やかにして懐の深い吟醸作。

1 Autumn in New york
2 What is this thing called love?
3 Laura
4 I'll remember April
5 Someday my prince will come
6 Dear old Stockholm
7 My funny valentine
8 Cherokee
9 I didn't know what time it was
10 Il neige sur pernes

RENE URTREGER (PIANO SOLO)

2005年 録音

在庫有り
デジパック仕様CD
このCDのみご購入ご希望の場合は、送料込み価格2,619円になります

吟醸作CD RENE URTREGER ルネ・ユルトルジェ / TENTATIVES[MIN 005]

販売価格: 2,520円(税込)
数量:
商品情報
美曲を自ら紡いで尽きることがないユルトルジェは、誰もが取り上げてきたお馴染みの曲を、とても新鮮な解釈で差し出してくれる。美しい、その一言に尽きる。

ルネ・ユルトルジェは、年季の入ったジャズ・ファンの間では、バド・パウエル系ハードバップ・ピアノの名手として、さらに、マイルス・デイヴィスのシネ・ジャズ傑作『死刑台のエレベーター』に貢献したピアニストとして名高い歴史的人物である。しかしそれはすでに半世紀前の姿。ユルトルジェは大ベテランの世代になった現在もフランス・ジャズ界屈指のマエストロとして注目されている。その理由は、今も確かな腕前を保持しているというだけではなく、珠玉のオリジナル・メロディによる抒情的表現が加味された作風に対する支持が定着しているからである。オリジナル曲の素晴らしさを日本のリスナーに決定的に認識させてくれたのが、少し前のソロ・ピアノ作『オニリカ(Onirica)』(Sketch)だった。

この新作『テンタティヴ』もソロだが、今回はスタンダード集。「いつか王子様が」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「ディア・オールド・ストックホルム」をとり上げているところからすると、マイルスへの追想をテーマにしているのだろうか。ともかく、美曲を自ら紡いで尽きることがないユルトルジェは、誰もが取り上げてきたお馴染みの曲を、とても新鮮な解釈で差し出してくれた。かつて貪欲に吸収したジャズの古典的なフレーズ作法も、習得に励んだ和声法や対位法も、まるで呼吸するようにナチュラルに奏でられ、独特のリリカル表現という域へ相乗的に統合されている。そういう意味で自伝的なアルバムと言えるだろう。

Text by 岡島 豊樹