CATFISH RECORDS

FSNTやSmalls Liveよりの作品群がいずれも好評だった、NYシーンで活躍する正統派ピアニストR・ジャーマンソン(ウィスコンシン州ミルウォーキー出身、D・ヘイゼルタインやJ・バイアードに師事)の、これはトリオによる2009年発表の旧作。ガッチリ堅固で自然な滑らかさも備える、澄みきったクリスタル風の鮮明タッチによる、ダイナミックかつブルージーにイキイキと哀愁を活写する正々堂々の雄渾プレイ!、がひたすらクリアー&テイスティーに中々骨太な映え具合を見せた、風格溢れる敢闘内容。モード系ハード・バップの王道スタイルに乗せた、軒昂でいてワンポイントの余裕ありげな「大船に乗った気分」の力強い邁進、が続き、ジャーマンソンの、一音一音をカキーン!コキーン!と噛み締めるような、ハートのこもった徹頭徹尾「ストレートアヘッド勝負」なアドリブ奮戦が実にシブ凛々しい、確たる絶好調ぶりを呈してゴキゲンだ。マッコイやハンコックの奏法を十全に消化してアクを抜いた、風な、精悍で頑強、それでいてスカッとしたおおらかな開放感〜突き抜ける爽やかさをも好もしく湛えた、基本は熱血沸騰型の、力学的スウィンギン・アクション文体が何ともフレッシュ&デリシャスに脂も乗りきったクリーンヒット!を連発しており、一方それと並行して、高音部の軽涼なブロック・コード弾きを活かした粋な寛ぎファンキー節や、ハンコックとエヴァンスの中間ぐらい?な耽美指向のバラード表現ワザ、などの転回も的確に盛り込まれて塩梅よく彩りを成し、そして何よりも、全体を通じて伸び伸びと普段着セッションに興じきる、といった感じの、殊更に作為やリキみを匂わせるところのない、いい意味で豪快・粗目な自然体の息遣いを保っている、辺りが巧く勝因を成して、気楽に聴けるさすが円熟の練達編に仕上がっている。ウ〜ムお見事。

1. Quagmire
2. Jill's Song
3. Daytona
4. Up Jumped Spring
5. This Time The Dream's On Me
6. Wives And Lovers
7. Way Of Water
8. Autumn In New York
9. Brick
10. Any Thoughts?

Rick Germanson(p)
Gerald Cannon(b except 7)
Louis Hayes(ds except 7)

2009年1月6&7日NYブルックリンのSystems Two録音

レーベル：OWL Studios

Rick Germansonのサイトへ

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
CD