●ConcordやDouble-Time、Arborsからのウェルメイドな作品群で高い評価と幅広い人気を得てきた、モダン・スイング派のベテラン・ギタリスト:クリス・フローリー(1954〜)の、今回は、昔からの馴染みのスイング仲間(歳も同じ)であるスコット・ハミルトンを全面フィーチュアしたクインテット編。リキみのない自然で滑らかな息遣いのテナー吹奏、がバツグンの爽快度でさすが「別格スター」然たる華を成し、その一方、熱く硬派な吟醸ソウルや燻し銀的バップ魂を一音一音にたっぷりみなぎらせた渋旨ギターの奮戦、もジワリジワリと中々の濃厚さで追い上げて来、また、カッチリ端正でスクエアーな、伝統に深く根を下ろした職人気質っぽいファンキー・バップ型ピアノの、ストイックげなイディオム・プレイもチョイ侘び寂めいた絶妙の奥行き(幽玄味)を成してゆく、という、親しみやすくも多層的な抒情世界が楽しめる芳醇内容。モダン・スイングと瀟洒派リリカル・バップの間を行き来するような、歌心最重視の緩急よろしき寛ぎハートウォーミング・セッション、が明るく楽しく一貫。個人芸に関しては、→音そのものに宿る圧倒的なスター性や気品、舞い泳ぐような流線美、瑞々しい潤いオーラ、などにより、やはりハミルトンのズバ抜けた「一人勝ち」になっている感はあるものの、フローリーの、適度に厚みのあるトーンで、ウェス流のオクターヴ技を加熱沸騰的に連発して見せたり、苦味走ったハードボイルドげな面持ちで殺陣風のバップ・イディオム弾奏に黙々と徹して見せたり、と、その、勇み肌のアツい一本気!を感じさせる鳴音キャラも、かたや「涼やかな清風」然としたハミルトンとは見事な好対照=鮮烈なるコントラストを成していて、そうした入魂プレイの迫真力や旨味濃さはまた格別だ。
1. The Lady's In Love With You
2. Girl Talk
3. Hit And Run
4. Born To Be Blue
5. Who Cares
6. After Hours
7. Moonlight In Vermont
8. Happy Feet
9. Isn't It A Lovely Day
10. Perdido
Chris Flory(g)
Scott Hamilton(ts)
Larry Ham(p)
Lee Hudson(b)
Chuck Riggs(ds)
2011年5月10日NYCのNola Studios録音
レーベル:
Arbors
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CD