CATFISH RECORDS

●お馴染みスペインの人気ピアニストI・テラーサ(1962〜)の、今回は、トリオによるタイ-バンコクでのライヴ編。非常に端正かつ堅固な、キレのある引き締まった音塊からキラキラと瑞々しい光沢(&潤い)を放ってゆくような「旨口クリスタル」風タッチによる、熟成されたブルージー・ソウルや哀愁ロマンを伸びやかに、ストレートに歌い上げて悔いなし!ブレなし!といった感じの、人情溢れる躍動的メロディック・プレイがまたゴキゲンな「味わい映え」を見せた、胸のすく豊穣内容。明朗リリカル・エンタテイメントのこれぞ真骨頂たる直球ハード・バップ大会!!、が嬉々溌剌と続き、ライヴならではのおおらかな開放感や勢い〜豪快エモーションが全編にみなぎっているものの、1曲1曲はそう粘り込まず適度な簡潔さにカラッとまとめ上げられた、中々テンポのいい、メリハリ充分の道程展開で清新に聴き進ませてくれる。テラーサの、高音部の軽涼な玉転がしタッチによる、キラリと光り瞬くようなガーランド・タイプの粋なファンキー小唄的リラックス・フレージング、を最得意(手癖?)っぽく頻発させながら、より重厚さや半アクロバティカルなダイナミズムを強化して、ピーターソンやテイタムに接近して見せる骨太アクション節、もしくは、伝統的バップ・イディオムに則ってのカッチリした「燻し銀の硬派殺陣職人」テイストなスクエアー・スウィンギン技、なども按配よく細かに盛り込んで的確な抑揚〜色彩変化を齎し、また、ボサ調トラック辺りでは、しっとりメロウでアンニュイなニュアンス深き耽美派ロマンティストぶりや、半バロック調の壮麗なヨーロピアン・エレガンス、も丹念に発揮してのける、という、全体を通じて、あくまで衒いなく自己流の正攻法スタイルに徹したその楽しげなアドリブ活躍、が実に清々しい絶好調の輝き=超芳醇な華やぎ様を示している。

1. An Emotional Dance
2. Les Dotze Van Tocant
3. Georgia On My Mind
4. Give Me Another
5. Motherland
6. Watlz For Auro
7. Corcovado
8. Under The Sun
9. Oscar's Will
10. Canco Num.6
11. Chega De Saudade
12. Blues For Stephanie
13. Liner Notes by Claudio Cifuentes, Albert Mallofre and Joe Zender

Ignasi Terraza(p)
Pierre Boussaguet(b)
Esteve Pi(ds)

2010年10月16、17日タイ-バンコクのThe Living Room, Sheraton Grande Sukhumvitでのライヴ録音

レーベル：Swit

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