試聴可ブラクストンのサイドやV・アイヤーとのコラボレーション、そしてFSNT/Clean Feedよりのリーダー作で高い評価を得てきた急進派アルト奏者スティーヴ・リーマンの、本作は2005年3月から6月にかけてのブルックリンやNYCでのセッションをまとめた一編。編成はdsとのデュオ(但しリーマンは各種電脳機器を併用しており、サウンドはバンド風)をメインに、コンボやソロによるトラックもある。曲は本人の自作中心。電脳機器類も巧く活用して(テクノ~フューチャー系統にも似た)メカニックなグルーヴ感がそこかしこに齎されつつ、概ね、歯切れのいいリズミカル・ビート仕立てのクール&ミステリアスな抒情的アクション奏演がキビキビと紡がれてゆく、進歩派ファンク路線タイプの新味ある敢闘内容である。多重録音他の音響加工技術が随所で効果的に用いられた、不可思議にしてノリのよさ抜群の快適な行き方が続き、1曲1曲はごく手短にまとめられた早足テンポの簡潔な道程展開の中で、as者やds者の生楽器演奏然としたアドリブ・プレイが、トリッキーなメカ音響の飛び交い様を横目に意気溌剌と瑞々しい見せ場を飾ってゆく。奔放さとスタイリッシュさの入り混じった、冷涼でダーク、それでいてアグレッシヴな疾走感も孕むM-BASE派似の怪しいリズミック・フレージングを基本身上とするasと、(律動的ビート刻みの一方で)うねりの利いた浮遊的・雑色的なトラップ感たっぷりのフリー即興っぽい揺さぶり攻勢に侮れぬ底力を発揮するds、の奮戦が適宜な編集トリック(重ね合わせとか反復とか色々)も加味された形で鮮烈に映えを示し、仕掛けを一切排したシンプルな自由即興インタープレイ曲や腰の据わった音響実験風のアブストラクト熱演、といったリアリズム重視型の硬派トラックも要所要所に現れて迫真の好インパクトを残す、全体的には、多種多彩でバーチャルなリズム&空間設計の巧妙さと意表性に本領の示された、密度の高い佳作。
Vapors,
Demian,
Damage Mobility,
Cognition,
Logic,
Emphonic,
Community
他全12曲収録
Steve Lehman(as,sopranino,sequencing,effects,programming)Tyshawn Sorey(ds)Vijay Iyer(p)Jahi Lake(turntable,electronics)Meshell Ndegeocello(elb)Eric McPherson(ds)
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バックオーダー対応。